７人の特急列車と一般人な私。 (ページ48)

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カイの家を出て、事務所に到着したのは
レッスン開始予定時刻から30分後だった。

カイはコーチに謝罪していた。

カイと別れて、私は秘書室へ。

内定から入社までの説明を受け、

秘「引っ越しの件ですが…
こちらの物件の中から１つ選んでください。」

と、秘書の人から差し出されたのは、
間取りなどの資料。

『え、引っ越しですか？』

秘「はい。入社前に引っ越し費用を
こちらで負担させて頂く事になっていますが、
山本様の場合、昨夜の事件もあるので、
早めに引っ越しを済ませるよう、社長からの指示です。」

昨日の事件のことをもう知って…
しかもこんなに迅速に対応してもらえるなんて
なんていい社長さんなんだろう。

内定貰えたのも社長さんの心遣いがあってだし、
引っ越しまで甘えるなんてできない。

秘「左様でございますか。それでしたら
社長からもう１つ伝言が。」

『左様でございますか、って私何も
言ってませんよね!?』

心の声読まれた!!??

秘「引っ越し費用をこちらで負担することに
申し訳ないと思うのであれば、
卒業までの間、研修兼アルバイトをする
というのはいかがでしょうか？

今ここでYESの返事なら即『します！お願いします！』
かしこまりました。
物件は今週までに決めてお返事を下さい。」

社長は本当に答えを決めさせるまでに
猶予がないわ。

『何から何までありがとうございます。』

秘「お礼なら、社長へ。
それとメンバー達へお伝えください。」

『メンバー達って…？』

秘「今朝１番に、カイ以外のメンバーが
社長室へ乗り込み、この引っ越しを依頼
したらしいので。」

話は以上です。

と、言われたので貰った資料をまとめて
秘書室をあとにした。