７人の特急列車と一般人な私。 (ページ1)

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1.一般人な私ページ1

「A～！次最終面接なんだって？」

『そうなの！やっと内定もらえそう！』

「やったじゃん～！
これで卒業旅行行けるね！」

『うん！残り少ない大学生活のために
次絶対決めるよ！！』

もうすぐ大学４年の秋だと
いうのに、内定の１つももらえていない。

『次のところ落ちたらもう、また１から
やり直しだよ…それだけは避けたい。』

「うん！しかも本命の企業でしょ！
これはもう頑張るしかないね！」

「次の試験はいつあるの？」

『明日！もう面接で言う内容もばっちり！
教授にも、大丈夫だろうって言われたんだ♪』

もう何社受けたかわからないくらい
就職試験を受けた。

エントリーシートを含めたら
もう100社以上受けてるんじゃないかってくらい。

それでも１つも内定を貰えてないって
結構ヤバいんだけど。

私は明日の試験に向けて
大学から早く帰ることにした。

田舎から出てきて、東京の大学へ入学。
その時からずっと一人暮らしをしている。

『これを着るのも、今年度はこれで最後だといいな』

クローゼットにかかっている
リクルートスーツを見て呟く。

大丈夫、私ならできる。

鏡を見て、自分に言い聞かせて
眠りについた。