❁ 高峻side ページ3
前に出て来た者も少女であった。
寿雪を可憐な少女と言うなら、彼女は佳麗な少女と言うべきか。
乳白の
佇まいはどこか幼く、凛としており独特の威圧感を放っている。肩辺りで短く切り揃えられた
伏せた顔からは微かに悲痛な念が伝わる。けれど、彼女の取り留めのない優しさが滲み出ており人当たりの良さが窺える。
寿雪とは対照的な印象を持った。そして、至っておかしな所は無い。
高峻「……そうか、良い名だ。
名は人を現すと言うがここまで率直な具現は初めてだ」
素直に述べた言葉だったが、Aは一瞬顔を顰めたように見えた。
寿雪「率直を通り越して捻くれた感性を持っておる。
お主も何を恭しく這いつくばっているのだ。
敬意など微塵も思っておらんくせに…」
捻くれている?従順そうな態度なのにか。真逆な言葉に困惑しているとAはそれを肯定するかのようにクスクスと笑い出した。
「あははw
はっきり言わないでよ。
傷付くなぁ…」
言い終わるか否かスッと立ち上がり砕けた口調で話し始めた。閉じられていた目はゆっくりと開かれる。
そして、その瞳は
高峻「っ……!」
_透明だった。
猫のような目尻は大きく、睫毛は椰子のようにバサバサだ。
瞳孔は深く暗い呂色、色彩は彩度の高い
透明_色が無いとも言える。
嗚呼、不気味とはそういう事か。確かに見た事の無い瞳の色だが、不気味とまでは思わなかった。Aは控えめに笑う。
「気味が悪うございましょう。
御気分を害されましたか…?」
寿雪「お主の頼みを聞く気は無い。
さっさと
鋭く言い放ったかと思うと寿雪は髪に差していた牡丹の花を抜いた。強い風に煽られ気が付いたら扉の前に居た。
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作者名:(仮)複数名前保持者 x他1人 | 作成日時:2022年11月28日 10時