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#9 ページ9

部室がもんわりと生暖かい。

夏の終わりの暑さと、部室の扇風機の無力さを感じる。

私は余りの蒸し暑さに窓をゆっくりと開いた。

外も当然暑いわけだが、まだマシな気がする。

リュウトとシュウタの目が「二人きりになりたい」ということを物語っていたので私は、

「ごめ、私帰るわ〜また今度」

と言い残してプレハブ小屋から出てきた。

しかし私はそんな簡単に言うことに従う良い子ではない。

幸い窓は開いている。

私は窓のそばにある壁に背中をぴったりとくっつけて、盗み聞きすることにした。

この位置なら覗きこまれない限りバレない。

「んぅ、あっ、さすがに激しくし過ぎ…っ!」

リュウトのあゑぎ声が絶え間なく響いていて、私はきゅんきゅんする。

微妙に耳に入るくちゅ音がとてつもなく速いので、その激しさもおおよそ予測することができた。

「リュウト…、お前たまってんなぁ。一人でしてないのか?自己管理くらいしろよ」

シュウタが含み笑いで呟く。

せいよくオバケのリュウトが一人でしていないことを少し意外に感じる。

するとリュウトが言い訳を始めた。

「だってぇ、シュウタの触り方気持ちいんだもん。いつもシュウタに抜いて欲しいって思ってんの」

恐らくこういうことを言おうとしたんだと推測する。

しかし、リュウトの舌はもつれているのだろう。ろれつが回っていない。


ふと、何も音がしなくなった。

シュウタは特大のため息をつく。

「なぁリュウト、お前勘違いしてないか?俺見てたのスライムのASMRだよ。勉強に集中できるんだ」

シュウタはそっと口にした。

くちゅ音最高ってそっちの意味だったのかと、一人納得する。

きっとリュウトも私と同じ勘違いをして、嫉妬してしまったんだと理解した。

「え、そうなの?てっきりシチュエーションボイスとか聴いてるのかと…」

私の想像通りだった。

やはり、早とちりは良くないと自分も反省する。

「ねぇっ、誤解も解けたし、いかせてよ…」

それはあざといが切実なお願いだった。

またくちゅ音とあゑぎ声が再開する。

「あふぁ、ヤバい、いくいくいくっ!!やめぇ、やめて…っ」

リュウトが必死に抵抗する姿が目に浮かぶ。

しかし私もリュウト本人も分かっている。

もう手遅れだって。

「もっとして、の間違いだろっ?」

「〜〜ッ!!」

リュウトは絶頂をむかえた。

ぴしゃっ、と床に何かの液体が飛び散るような音がした。

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設定タグ:名前変換オリジナル , BL , 一次創作   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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永遠の5ちゃいだよ - 最高すぎます!あー幸せ (2022年2月8日 15時) (レス) @page11 id: 5ea1d8bd69 (このIDを非表示/違反報告)
くちもうふ - 何か私のノドから私でも聞いた事ない声が出ました.その位最高という事ですね!ニヤニヤが止まりませぬ…続きが楽しみです!! (2021年4月1日 12時) (レス) id: 3d568debde (このIDを非表示/違反報告)
苺の王子推し - 続き気になります! (2021年3月26日 22時) (レス) id: 2497fd4f55 (このIDを非表示/違反報告)
lemonsquash(プロフ) - マミ@ポ女さん» 更新最近できてないので頑張りますね (2021年3月17日 17時) (レス) id: f394f24743 (このIDを非表示/違反報告)
lemonsquash(プロフ) - 澪@橙苺王子様推しさん» リア友に勧められたのは凄いですねw私も苺の王子様推してますよ、仲間です!! (2021年3月17日 17時) (レス) id: f394f24743 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:lemonsquash | 作成日時:2021年3月8日 17時

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