#3 ページ3
紫澤高校での学校生活五日目。
最近私には気になっている人がいる。
隣の席のツバサだ。
いつも無口で、感じが悪いが、ぶっちゃけ顔がとてもタイプなのである。
ただ、気になるのは、ユウマと(有名ホストの息子(副部長))との関係性。
前、二人が私に入部届けの紙を届けにうちのクラスに来た時、仲良さそうに話していたのだ。
いつも愛想が悪いのに、二人と話している時はその雰囲気は一切無く、不思議に思っている。
やはりあの二人には独特な雰囲気があるのだろうか。
色気とかふぇろもんとかで男子を誘惑しちゃうとか…?
いや、BL漫画じゃないんだから。と私は自分の心を落ち着かせた。
「A。どうしたの?」
突然声をかけられてビックリし、身を退いてしまう。
私の席の前に立っているのは、間違いなくツバサだった。
今下の名前で呼ばれたのだから、こちらも下の名前で呼んでもいいよね?と自分に問いかける。
「ううん、なんでもないよ。ツバサが女子に話しかけるなんて珍しいね〜」
「いや、ユウマと(有名ホストの息子(副部長))にAは良い奴だと聞いて」
出た、ユウマと(有名ホストの息子(副部長))。
ふとあの二人の熱いキスを思い出す。
何で今?!と思いつつ、私の心臓はバクバクしている。
「顔赤くしてどうしたの。てゆうか、Aって腐女子でしょ?」
「え…」
何でバレてるの、と呟く。
するとツバサは私を面白そうにみて、ニヤリとした。
「こないだ教室であまり有名じゃないBL小説読んでたでしょ?もしかして、ユウマと(有名ホストの息子(副部長))の関係も大体分かってるんじゃないの」
私は言葉に詰まる。
今日初めて話すツバサにこんなこと言ってもいいのだろうか。
あの二人がキスしてるのを見たなんて。
「大丈夫。誰にも言わないし、俺も腐ってる」
意外すぎて驚く。
しかし、よく考えてみたらそうだ。
メジャーじゃないBL小説を腐男子以外の誰が知ってるのかって話しだ。
腐男子なんて本当にいたんだ。初めてあったかも。
私が反応を抑えつつ、興奮していると、ツバサが冷静に問いかけてきた。
「二人がキスするとこ、見ちゃったとか?」
図星過ぎて、頭が真っ白になる。
これはどう反応するのが正解なのだろうか。
「うん…」
私は力なく頷く。
嘘はつきたくなかったので、そう回答するしか無かった。
48人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「一次創作」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
永遠の5ちゃいだよ - 最高すぎます!あー幸せ (2022年2月8日 15時) (レス) @page11 id: 5ea1d8bd69 (このIDを非表示/違反報告)
くちもうふ - 何か私のノドから私でも聞いた事ない声が出ました.その位最高という事ですね!ニヤニヤが止まりませぬ…続きが楽しみです!! (2021年4月1日 12時) (レス) id: 3d568debde (このIDを非表示/違反報告)
苺の王子推し - 続き気になります! (2021年3月26日 22時) (レス) id: 2497fd4f55 (このIDを非表示/違反報告)
lemonsquash(プロフ) - マミ@ポ女さん» 更新最近できてないので頑張りますね (2021年3月17日 17時) (レス) id: f394f24743 (このIDを非表示/違反報告)
lemonsquash(プロフ) - 澪@橙苺王子様推しさん» リア友に勧められたのは凄いですねw私も苺の王子様推してますよ、仲間です!! (2021年3月17日 17時) (レス) id: f394f24743 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:lemonsquash | 作成日時:2021年3月8日 17時