あんなのタイプでもなんでもない【JN】

35 ページ35

.



A「先輩、ちょっといいすか」


僕もピアスをじっくり見ていれば

後輩くんがいつの間にか隣にいた


僕より少しだけ高い身長だけど、猫背だから同じくらいの背なんだななんて変なことを考える


後輩くんの手が僕の耳に近づいてきて

それと一緒に顔も近くなる


A「んー」


僕の耳にピアスを当てて考え込む後輩くん



近いな…



「ど、どうしたの」


A「こっちのピアスだと、綺麗
こっちのピアスだと、かっこいい」


そう言って悩む後輩くん


僕幻聴聞こえてるのかな


後輩くんの口からかっこいいと綺麗が聞こえたんだけど



A「こっちは綺麗に見えて
こっちはかっこよく見えるんすよ」


「じゃ、じゃあ後輩くんはどっちの方がいいの？
かっこいいのと綺麗な方」


A「俺は…」


「うん…」




A「綺麗な方っす
先輩は綺麗なんで」


「っ…」



多分今僕顔真っ赤、見せられない



A「先輩？」


「それ、ちょうだい…」


A「え？どっちっすか」


「両方」


A「え？」


「買ってくる」



後輩くんからぶんどって、会計をした





.

36→←34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す