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最初は何も話そうとしなかったけれど私が懲りずにじっと見つめたからか、涙を拭ってやっと話してくれた。


金「その……怖、くて……」
『怖い…?』
金「急に、グループに入ることになって…でも佐藤くん以外知らない人で…何話していいか分からないし、みんな…受け入れてくれなさそうだったし…」
『…ごめん……』
大丈夫です、と呟き話を続ける。
金『それと、、上手く踊れない自分がっ…悔しくてっ……』

話しているうちにだんだん思いが込み上げてきたのだろう。
途切れ途切れに言葉を発する。


『大丈夫、大丈夫だよ』
小さくて華奢な背中を私はそっとさすった。

『…みんなね、すごく優しい子なんだよ。私が女の子でもそんなの関係ないって、一緒に頑張ろうって言ってくれたの』
金「…え」

『最初はね、女の私を受け入れてくれてないんだろうなって伝わって、すごく怖かったの。金指くんと一緒』

『それに、私も初めの頃は上手く踊れない自分が悔しくて泣いてた』
金「……」


『でもね、そんな私を変えてくれた魔法の言葉があるの』
金「…なんですか」
『"Youのその笑顔、最高だね"』


ぽかーんとする金指くん。
まぁいきなり言われたらそうなるよね…笑


『えっと、笑 これはわかると思うけどジャニーさんが言ってくれた言葉なの』


そう。
不安と悔しさで笑うことが出来なかった私に伝えてくれた魔法の言葉。
きっと金指くんも昔の私と同じ状況だと思ってこの言葉をかけてみた。


『私ね、金指くんをコンサート中に見たんだけどキラキラしててすごいなって思ったんだよ』
金「え…?」
『ニコニコしてて良いな〜って。それくらい笑顔って大切なんだよ』
いつのまにか金指くんは泣き止んでいて、私をじっと見つめていた。


『笑顔でいることは、ファンの子のためでもあるけど自分のためでもあるんだよ。
自分が心から楽しんで笑顔じゃないと、いいパフォーマンスはできないから』
そう言うと金指くんはハッとし、口をきゅっと結びこくりと頷いた。



分かってくれたかな…?


いや、分かってくれたと思うな。






金指くんの瞳がまた輝き出したから。






金「ありがとう…ございます」
『ん、よかった』


するとそこへ
藤「あ!!いた!!」

直樹がやって来た。
もう遅いよ〜笑

藤「金指くん大丈夫?」
金「はい…!」
藤「…なんか元気になったね!」


直樹がそう言うと、金指くんはへへっと私たちの前で初めて笑顔を見せてくれた。





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38(プロフ) - なすがーるさん» ありがとうございます!嬉しいです…!楽しんで頂けるよう頑張ります! (2019年12月23日 22時) (レス) id: 91facfc0ab (このIDを非表示/違反報告)
なすがーる(プロフ) - めっちゃキュンキュンしました!!!引き続き更新待ってますので、主様のペースで頑張ってください!応援してます!!! (2019年12月22日 18時) (レス) id: 85e9568f99 (このIDを非表示/違反報告)
38(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます!引き続きよろしくお願いします (2019年10月23日 21時) (レス) id: 91facfc0ab (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年10月23日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:38 | 作成日時:2019年10月20日 23時

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