毎日あなたのことを思い続けて【氷鷹北斗】

45仮面王子 ページ45

萩｢あれー？Aちゃん？｣




夢｢ああ、萩｣




萩｢その服…てか、なんでこんな端っこで壁に寄りかかってるの？｣




夢｢えっと、ドレス用意してなくて…



一緒に踊るに人もいないから。




萩は？なんでここに？」





萩｢ああ、まぁいろいろとね…｣




夢｢あれ？パートナーは？｣




萩｢俺決めてないよ？｣




夢｢え？そうだったんだ。｣




萩｢ねえ、Aちゃん。




俺と一緒に踊ってくれませんか？｣




少しびっくりしていた数秒の間に、




周りがとてもうるさくなった。





｢え！？Aさん踊るの！？｣




｢じゃあ次は俺と踊ってよ！｣




｢次は俺！｣





あっという間に、囲まれてしまった。



抜け出したくても、



囲まれてしまい距離が近いため無理だった。




女子と男子の身長の差は結構大きく、




周りが壁にも見える。




萩｢はあ、最初は俺でしょ？




いいよね？Aちゃん？｣





と、手を取られた瞬間だった。




『ガシ』




私の腕を誰かが掴んだ。




気がつくとそこには黒髪の仮面をつけた人が立っていた。




夢｢えっ…？｣




この人…どう見ても





その人は、私の腕を掴んだ手は放さず、




その人の後ろに立つよう誘導された。





？｢わたくしの姫になにか御用でしょうか？｣




夢｢えっ……え？｣




いや、まって…この声って…口調どうしたの？





まるで本当の王子様だ。




そして周りの人に言い放った。




？｢Aは、わたくしのものです。




これ以上、Aに触ったり、




必要以上に近寄らないでくださいね？





ダンスの申し込みなんてもっての外ですよ？





いいな？｣






最後の一言だけは、その人のそのままの口調で




いつもより低い声で言っている気がした。



とても迫力があり、怖かった。



そして、それを言うなり、私の腕を掴んで走り出してしまった。

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