Free Hugs -styles of love- (ページ31)

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あーもうなんなんだ、この人！
なんでここにいるわけ？

「藤ヶ谷さんって、あの！？藤ヶ谷さん？！」

「…そうです、あの、藤ヶ谷さんです」

もう、ミホちゃんたら。
思いっきりにらみたいとこだけど、我慢した。

だって見返したくない？
大人になって、簡単には手を出せないような素敵さってゆうか、前にはなかったであろう大人の女性感、見せつけたいじゃん。あるかどうかは別だけど。

「はは、あんまり良くない評判だよな。その節はどうも」

「……いえ、こちらこそ失礼しました。今日はどうして学校に？」

「ゼミの先生に用があってね。元気してる？」

「おかげさまで、色々悩むことはあるけど毎日笑って過ごしてます」

「よかった。元気そうで。…そちらは？」

「ミホちゃんです。あ、北山さんの彼女です」

「…まだ許してないけどね。」

ぽそっと私にだけきこえるようにいうミホちゃん。

「え？」

「ああいや、初めまして、いつも北山がお世話になってます」

「いえ、こちらこそ。しっかり者の彼女さんがいて羨ましいな。彼女欲しくなっちゃうね」

うっわ、でたでた。こゆことさらっというから嫌だなあこの人。なんのアピールやほんま！

…ってミホちゃん、鼻の下伸びてるし。もう。

「ふーじーがーやさん！やめてくださいよもう。
ミホちゃんも忘れたの？！」

この人は私の仇みたいなもんなんだからね。

「やめるってなにが？笑」

「まあいいや。じゃあ、私たちこのへんで失礼します！お元気で」

「あ、うん。またね。……あ、Aちゃん」

ちょっといい？って手まねき。

…なに、なにが始まるわけ…

「何でしょうか」

「はは、やっぱまだ怒ってる。LINE、ブロックしてるでしょ」

「…いえ、そんな2年くらいたつのに。怒ってはないです。」

…ただもう別にわたしにはどうでもいいってゆうか。
必要ない連絡先ですから、ともいえず。

あの頃が嘘のようにちっともドキドキしない。

「ブロックされたのへこんだな、俺」

とか言ってちょっと笑うこの人。
よく言うね、そもそもブロックされるくらい返信しなかったのはそちらでしょうよ。

藤ヶ谷さんには言われたくありません。

そうやって、いちいちいうのも面倒に思えてしまう。

あぁ、早く帰って彼とまったりしたいなぁ。
なんて考えちゃう私。

「凹むことも大事ですから。この後、約束があるのでそろそろ。」

約束ね、…参ったなぁって天を仰ぐ藤ヶ谷さん。

「あと一分、俺にください」