Free Hugs -styles of love- (ページ21)

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「お風呂ありがと。」

「うん…っ！太輔、服！」

太輔はまたタオルを腰に巻いただけの格好をしてる。
恥ずかしいからこんな明るいところでそんなセクシーな格好で歩かないでほしいよ全く…

「なに今更恥ずかしがってんの？笑昨日も見たじゃん。変なA。笑」

なんて言って太輔は平気な顔して笑ってるけど、何回みたって慣れないものは慣れないわけで。

それに冷静に考えたら、付き合ってもないのにこんな状況、おかしいんだからね？

「…そうだけど…そうじゃないんだって」

「はは笑そうだけど、そうじゃないの？なに、どうした？今日は気分じゃない？」

太輔は横に座って顔を覗き込むように私をみる。

いやだから…！服っ！

「いや、そうでもないんだけど」

「はは笑俺が混乱してきた笑」

「…とにかく、明るいところでは服を着ててよ」

「わかった笑」

「今！」

「今…はいいよ…

ちゅっ、

・

・

・

そこまできこえたかと思うと、太輔の顔が近づいてきて唇を奪われるから途端になにも考えられなくなる。

どんどん激しくなっていくから息が苦しくなってきて太輔の胸を押す。

すっと、勢いよく酸素が入ってきたと同時に

「向こういこう？」

太輔に抱き上げられる。

太輔がしてくれるお姫様抱っこは、たぶん世界一だと思う。

抱き上げるときもおろす時もまるで大事なものを扱うように優しいし、あるいてるときだっておでこやほっぺにちゅうしてくれたりするし、いい香りもする。

わたしはいつも、もう、
しあわせ～ってとけそうになる。

私をベッドにおろして彼は電気を切りにいく。

真っ暗になった部屋にうっすらと月の光だけが漏れ入っている。

ギシッて音と一緒に、あったかい太輔がベッドに入り込む。

先に明日のアラームを設定するのがルーティン。

だけどそんなの、待ちきれない。

「太輔、」

「ん？なに？」

画面から顔を離す太輔に

「キスして」

そういうと、彼はフッ、と笑って

画面をおとしながら優しくキスをした。

ボタンが一つずつ外されていく。

どこで覚えたの？なんて怖すぎてきけないけど、今日も手際よく彼からの防衛服は脱がされていく。

今、わたしを…というより、わたしの恋心を守るものはなにもない。

太輔が彼氏じゃなくてただの、体だけの関係にある人だろうが、なんだろうがもうどちらでもいい。

今、間違いなく、彼は私だけを見つめている。

それだけで、今の、目一杯のしあわせだ。