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もう！！！！！
あのチビすけ！！！
あーあ、振り回されてる。これはかんっぜんに振り回されてるよ私。ちっとも恋なんかじゃないけどこの間の大失恋で、もう誰にも振り回されないって決めたのに！
「なんなのもう！こっちの予定もきかないで！」
…って、とくにこれと言った用事はないことを思い出してペロっと舌をだした。
「久しぶり、内田さん。1人で楽しそうだね笑」
クスクスと笑うのは
「ふ！藤ヶ谷さん！！」
我が社の今期人気ナンバーワン、藤ヶ谷太輔さん。
北山さんは彼のことをライバル視しながらも結構好きみたいで、酔うとすぐに藤ヶ谷藤ヶ谷って。だから私は会う前から藤ヶ谷さんを知っていた。
だけど以前会議の時実際に会ったら、それはもう聞いていたよりもずっとカッコよくて、紳士だったから…ドキドキが止まらなかったよね。
「ね、また北山と喧嘩してたんだって？」
そういっていたずらっ子みたいな顔をしてる
「もうなんで知ってるのー…ってゆうか、藤ヶ谷さんなんでここに？？」
彼は今、台湾支店で勤務中。
だから東京本社に現われるなんてレア中のレア。またなんでこんなタイミングで来ちゃうかな。もっとこう、、穏やかな表情でいる時がよかったよ…
「ん？会議に呼ばれたの」
「何のやつですか？」
「んーまだ内緒」
「内緒…なんだろう、気になるな。夏の交流会の企画？…なわけないか」
「ははは笑 違うよ。またちゃんと決まったら教えてあげる」
「はい！楽しみにしときますね！じゃあ会議頑張ってください！」
藤ヶ谷さんはじゃね〜って手をひらひら。
…萌えだ。かわいすぎるぅ！
しかし久々の藤ヶ谷さん最高だね。甘くていい香りがして、スーツ似合ってたし。
…あのうるさいおチビさんとは全然ちがうね
・
・
それからの私はものすごい集中力をみせた。
いくら仲が多分いい方だとはいえ、北山さんは上司なわけで。
待たせるわけにはいかないし、迷惑かけたら変な意味じゃないけど今晩は家に帰してもらえないかもしれないし。
サッサと片付けよう。とまあ無心になって企画書、パワポの準備などなど本日の業務をこなした
・
「お疲れ様でしたー」
と会社を出たのが18:50
北山さんはまだ来ていない
初夏の19時はまだ明るい。
ふと空をみあげると
「綺麗な月…」
少しずつ夜になっていく空に、小さな星と大きな月が光っていた。
「わり、お待たせ」
聞き慣れた声に振り向くと
なんだか嬉しそうな北山さんがいた
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作者名：meeeta. | 作成日時：2019年7月2日 2時
