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No.11 ページ11

あれからどうやって家に帰ったのだろう。

気づけば俺はソファに座っている。

ーピンポーン

インターホンがなり、俺は確認もせずに扉を開けた。

そこには息を切らした望が立っていた。

俺が固まっていると、望は何も言わずに家に入ってきた。


「……なんで来たん、」

桃「今、流星の事1人にしたらあかん気がして。
1人にしたら、もう俺らのとこ戻ってけぇへんような気がしてん。」

「…そっか、、」


……図星だ。

実際、望が来おへんかったら、勝手にネガティブな方向に考えて辞めようかとも思ったかもしれん。


桃「…なぁ、俺らは流星の事、、」

「俺、、信じたくない訳ではないねん。
もう6年。その間、俺がメンバーにどんな思いで接してたとか、そんなん関係なくて、、。
こんな長い間一緒におったんや。簡単に口先だけで言うような奴らやないって、わかっとるよ。
きっと、ホンマに信じてもええんやろうって。」

桃「だったらなんで、!?」

「…俺が弱いから、?」

桃「…え、?」

「…ちゃんと頭では分かってんのに怖いねん。
皆を信じて、、、裏切られるん、」

桃「俺らは、、!」

「まだな、皆に言ってないことあんねん。」

桃「え、、?」

「俺だって、、あの理由だけで、ここまで言ってくれるメンバーを信じられへんほど弱くない。
俺、仕事上、もう偽名になったけど、藤井って名乗ってんねん。」

桃「…どういうこと?」

「…縁切ったんよ。オトン達と、、。」

桃「…っ!?」

「それも、俺から言ったんとちゃう。言われてん。
養子だって知ったからにはこれから一緒に居るの変に気いつかうし、実際もう俺は大人やから大丈夫やろって。ここまで育てたんやから逆に感謝せぇって。」

桃「…なんやねん、それ」

「……俺さ、どっかで期待しててん。
たとえ養子だとしても戸籍上だけじゃなくて、ホントの家族になれてんちゃうかなって。
でもさ、その期待もあっさりと切られちゃってさ、
そう思っとったのは俺だけ。
本当のことを知ったらあっさり切り捨てられた。
家族じゃないって。」

そこまで言うと、望は切ない顔をして俺を見てる。

「…ははっ、かける言葉もないやろ、。
なんなんやろうな、、、、
本当の親に捨てられて、、
それを知ってる人にまた捨てられてさ、
そんなん最低やって。最低最悪の奴やって。そう思うのに。なのに、大好きやねん。みんなのこと。」


そう言った瞬間、俺は望に抱きしめられた。

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作者名:こあ | 作成日時:2020年5月29日 15時

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