【うらたぬき】甘い…！甘すぎて吐き気←しそうなカップル【短編集】

・Uside ページ34

「うっわ…これはひでぇな…」

俺のパソコンの画面からは赤コメビック文字で書かれているAのアンチコメ。
まぁガチ恋や信者のこたぬきがやったんだろうけど…。

あまりにも書かれている言葉が残酷すぎた。

しかもあいつは昔の事があるからこういう事は周りの人より人一倍敏感だし、
なにより周りに迷惑かけちゃいけないって思ってるから不安な気持ちを抑えてしまう事が多い。
多分、Aも見ただろうし…、
一回電話して見るか、


プルルルップルルルッ

「あっ、もしもしA？」

『ん…？渉？どうしたの？』

やっぱり声が元気じゃない。

「あのな…Aも見ただろ？
アンチコメ」

『う、うん…でも大丈夫だよ！
ああなる事最初っから分かってたし！全然気にしてないから大丈夫！』

嘘つけ。
ほんとはめっちゃ気にしてるくせに、何年一緒にいると思ってんだよ。

「…嘘つけ。
ほんとは気にしてるんだろ…？
俺は気にしなくていいからわがままでもなんでも言っていいし…」

『…うん。
…なぁ渉。』

「なに？」

『…い、今から、会いたい…』

そうやってAが言った

会いたい

は少し震えていて今にも泣きそうになるような声だった。

「分かった…すぐ行く。」

と言って上着を着て外に出る。
Aとの家の距離はそこまで遠くなくて、
電車を使って15分くらいでつくからよかった。

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