検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:47,238 hit

No.39 ページ39

----------


右腕がズキズキと痛む…。


グレイシア「Aちゃん、大丈夫?」

A「だ、大丈夫です…!」


グレイシアさんの言葉にパッと顔を上げると、皆が心配そうに私を見ていた。
そんな中、マスタングさんだけは一人、気まずそうな顔をしていた。


リザ「私が見るわ。アルフォンス君、彼女を奥の部屋へ。」

アル「う、うん!」

マスタング「お、おい、中尉!」

リザ「大佐はお静かに。」


中尉と呼ばれる金髪の女性が奥の部屋へ入っていくと、アルフォンスさんが私に近づいてきた。


アル「ちょっとごめんね。」


彼はそう言うと、私をそっと抱きかかえて、奥の部屋へと運んでくれた。


A「あ、ありがとう…ございます…。」

アル「昨日と同じだね。」


彼は不思議な人だ。
鎧で顔が見えないはずなのに、優しく穏やかな人だと確信が持てる。
部屋まで運ばれてる最中、アルフォンスさんの兄弟だというエドワードくんが、無言でジロジロと私を見てきたので、私は戸惑いながら視線を泳がせた。


本当に兄弟なのだろうか…やっぱり似てない…。


奥の部屋に入ると、アルフォンスさんは部屋の中央にある長椅子へと私を下ろしてくれた。
中尉さんは私が座る前方に跪くと、周りに集まる人たちに向かって言った。


リザ「男性の方々、しばらくこの部屋からご退出願います。」

マスタング「何故だ!私の部屋だぞ!」

リザ「では、こちらに背を向けていてください。」

マスタング「何をするつもりだ、中尉!」

リザ「服を脱がします。」


その一言で、グレイシアさん以外は皆、私たちに背を向けた。


マスタング「あ!ブレダ少尉に、ファルマン准尉に、フュリー曹長!君たちは軍務に戻りたまえ!」

フュリー「ええ…そんなぁ…」

ブレダ「まだちゃんとした説明をいただいていません…。」

マスタング「また後ほど説明をする。とにかく部屋から出て行くんだ。」


マスタングさんはそう言って、色々と腑に落ちていない様子の三人を半ば強引に部屋から追い出した。


中尉さんは、私のブラウスのボタンを外して服を脱がすと、血に染まる包帯を丁寧に取っていった。


リザ「あなた、名前はなんて言うの?」

A「あ…A…です…。」

リザ「そう。良い名前ね。私は、リザ・ホークアイ。リザって呼んで。」

A「リザ…さん…」


リザさんはグレイシアさんと同じ優しい目をしていた。

No.40→←No.38



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
136人がお気に入り
設定タグ:鋼の錬金術師 , ハガレン , アニメ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

るるるs - 鋼の錬金術師AFじゃなくてFAですよ。 (2022年7月27日 0時) (レス) id: 7f6b75982b (このIDを非表示/違反報告)
篠懸 菖蒲(プロフ) - ポケットの案内人さん» ポケットの案内人さん コメントありがとうございます!そう言っていただけて私もすごく嬉しいです(><)更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年8月16日 8時) (レス) id: 21fdeed85c (このIDを非表示/違反報告)
ポケットの案内人(プロフ) - 私、ハガレン大好きなんですよ!夢小説書けないのに夢主勝手に想像したり、そしたらこの小説があったのでメッチャ嬉しいです!頑張ってください! (2020年8月15日 23時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
篠懸 菖蒲(プロフ) - みーこさん» みーこさん ありがとうございます!そのように言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります(><) (2020年6月23日 10時) (レス) id: 21fdeed85c (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってくださいね! (2020年6月23日 10時) (レス) id: 19c92306d7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:菖蒲-アヤメ- | 作成日時:2020年6月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。