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その二 ページ15

「ガアアアアッ」
「出た!?」

現れたのは大きい妖鳥だ。百鬼丸と沙世はすぐに刀を抜く。妖鳥は一番近くにいた沙世に襲い掛かるがそうやすやすやられる沙世ではない。

(水の呼吸・壱ノ型 《水面斬り 》)

沙世の一撃に思わず逃げる妖鳥。こいつに襲い掛かったらやられると思ったのか標的を百鬼丸に替える。いつもなら百鬼丸は攻撃を仕掛けるのだが妖鳥の大きな鳴き声、奴が当たるたびに落ちてくる枝の音のせいでどれを攻撃すれば戸惑っていた。そうこうしている内に百鬼丸は攻撃を喰らってしまう。どろろは「音なんか気にすんな」と叫ぶ。

「兄さんあぶない!」
「左だ!」

沙世とどろろの声に反応する。おかげでやっと攻撃を喰らわせられた百鬼丸だが妖鳥の持つ鋭い爪が体に食い込む。離せといわんばかりに斬りつける百鬼丸。そのおかげでなんとか離してくれた。
沙世とどろろは百鬼丸のもとへ駆け寄る。


「ガアアアアッ」

「どろろ!兄さんをお願い!」
「沙世姉ちゃん!?」


迎撃するために百鬼丸達から離れる沙世。そして彼女は刀を構えた。

(水の呼吸・漆ノ型 《雫波紋突き》)

ドス!!


「ガアアアアッ!?」

迎撃用の最速の突きを喰らわせる沙世。どろろは思わず「やった!」と言う。

「ガアアアアアアアア!!!」

怒った妖鳥は沙世に襲い掛かる。沙世は威力、攻撃範囲の高い技で止めを刺そうとしたときだ。


「ふん!」


ジャキジャキッ!!


妖鳥は斬り刻まれた。沙世はやっていない。沙世がやろうとした技は怒涛の勢いと共に上段から打ち下ろすものだからだ。止めを刺したのはこの人だ。

「おや?坊やたちだったかい。奇遇だね」
「お坊さん!?」

なんとお坊さんだったのだ。するとどろろがあることに気づく。

「兄貴?…しっかりしてくれよ!?兄貴!」
「え!百鬼丸兄さん!?」

百鬼丸の様子がおかしかったのだ。どろろは百鬼丸を揺さぶり、沙世は彼等の元へ駆け寄る。
そんな三人に疑問符を浮かべるお坊さんであった。

その三→←守子唄の巻・上



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作者名:AYAAYA | 作成日時:2019年2月24日 21時

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