彼女が可愛すぎる件について【夏油傑】 (ページ18)

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8-恐怖ページ18

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𝑌𝑜𝑢-𝑠𝑖𝑑𝑒

最近、私は世に言うスランプに陥っていた。

どれだけ訓練や実践を積んでも、必ず怪我をして帰ってくる。

教師であり等級も1級だから、そこそこ強い呪霊と対峙させられるのは分かっていた。

......でも。

怖い。

このまま一向に元に戻らなかったら、私はいずれ死んでしまう。

死ぬのが怖い、なんて思ってはいけないのに。

「A、朝だよ。

　起きよう」

傑がいるから、死にたくないと思ってしまう。

『......行きたくない』

「...どうして？」

『.........行きたくない』

こう言って困らせるのはわかってる。

でも、“死”という恐怖にどんどんと蝕まれていく。

「体調悪いのかい？」

『.........』

「熱は...無いみたいだけど。

　頭痛とかかな」

『...頭、痛い』

手を私のおでこにあてて聞いてくる傑に、頭が痛いと答えた。

嘘を、ついた。

「頭痛か...

　見えないから私にはAの辛さをわかってあげれない。

　...ごめんね」

『......ううん』

「高専には私から伝えておくから、Aはしっかり休んでな」

『あ...ありがとう』

ご飯作ってくるね、と言って部屋を出て行った傑。

嘘なのに、本気で心配してくれてる。

嬉しいのか悲しいのか自分でもわからずに。

気づけば、涙が溢れていた。

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