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六拾玖 ページ23

「……1人で平気か」

『柱何年やってると思てんの?へーきへーき』



ヒョイっと、標準にしては小さめの涼を義勇の方へと渡してAは二ヘラと笑った。

山の中、鬼の気配は減っている。
それは確かなので、年齢的にも経験値的にも先輩であるAがあとを引き継ごうというのだ。

義勇は義勇でそれでいいのかと悩む点もあったのだが、Aは言い出すと聞かない性分だ。
任せておいて間違いがないのは明らかであったので、義勇は頷く。

涼はというと、肩を震わせて怯えた表情を浮かべている。



「…あの、」



ギュッ…と手を固く握った涼が、立ち去ろうとするAを呼び止めた。

足を止めたAは振り返ると、どうしたん?とでも言いたげに首を傾げる。



「……ありがとう、助けてくれて」

『ええんやで。もうちょっとはよ来たら良かったな』



そのおにーちゃんの言うこと、ちゃんと聞くんやで〜



ヒラヒラと手を振って駆け出したA。
涼が瞬きをした次の瞬間にはその姿は消えており、涼は呆気に取られて口をぽかんと開けた。



「……行くぞ」

「うん……あ、おにぃちゃん」

「ん?」



歩き出した義勇の羽織を掴み、その歩みを止めさせる涼。何事かと義勇が振り返ると、涼は申し訳なさそうに眉を寄せた。


しばらくの間。


義勇は何かを悟ったかのように涼に歩み寄るとその頭をぎこちなく撫でてやった。





Aの真似をしたつもりらしい。
そして涼を抱き上げると山を降りていったのだった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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karion(プロフ) - こんなに感動したのは久々で思わず泣いてしまいました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)続き楽しみにしています(≧∀≦) (5月19日 17時) (レス) @page50 id: d59aca9a13 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - トカゲさん» ありがとうございます!ただいま制作中ですので、お楽しみに!! (2020年5月14日 17時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
トカゲ(プロフ) - すごい面白かったです!!続きが気になっております!続編頑張ってください! (2020年5月10日 22時) (レス) id: 8140af0e98 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - スリーパー(?)さん» 涙まで……!!ありがとうございます、本当に嬉しいです!更新、頑張りますね!もう少し、静柱のお話にお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 雪もちさん» その言葉だけでも励みになります!ただいま下書きに勤しんでいますので、今後も応援のほど、よろしくお願いいたします! (2020年4月28日 15時) (レス) id: dd9aff063c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タロ。 | 作成日時:2019年10月20日 19時

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