肆 ページ5
『閼伽Aや。よろしゅうな』
パンパンと裾をはらい立ち上がるAと名乗ったその男。
ガラ空きの脇腹をしのぶがつついてみると、いてっと声を上げた。
『ちょ、しーちゃん痛いって』
「……閼伽さん、今回は肋骨を一体何本折ったんです？｣
『………2、3本。』
「5、6本ですね。だから治りがけで任務に行くなとあれほど……」
『……しーちゃん、般若って知ってる？』
「急になんです？」
『そっくりやで、今。』
ズゴンッと音を立ててAの脳天に拳がめり込んだ。
炭治郎はその光景にアハハ…と苦笑い。
それもそのはずだ。
どんな強者だろうと期待を抱いていたはずが、予想の斜め上を行くAの行動に戸惑いを隠せないでいたからだ。
「空いている寝台を使ってください。アオイに薬を持たせますから。」
『痛った…これでも俺年上やのに……』
プンスカと怒りながら踵を返すしのぶ。
その背が見えなくなるまでAは頭をさすっていた。
『……で、君らの名前は？』
「竈門炭治郎と言います！
こっちの毛布が我妻善逸で、猪が嘴平伊之助と言うんです！」
フムフムと顎に手を当て頷いたA。
小声で名前を繰り返すと、その手を離して空いている寝台へと寝転がった。
『たんじろーにぜんいっちゃん、あとはいのすけかぁ……もうイノシシくんの方がわかりやすいな。』
イノシシくんでえっか、と呟いてAはうんうんと頷いている。呼び方を決めているらしい。
そういえばこの男、蟲柱である胡蝶しのぶをあだ名で呼んでいたなと炭治郎は思い出した。
恐らくそういった性分なのだろう。
そして一呼吸置いた時、Aは再び口を開いたのだ。
『…して、たんじろー。ひとつ聞きたいことがあるんやけど、ええか？』
自分に話が振られると思っていなかった炭治郎。
はい、いいですよと少し浮ついた声で答えると、静かな声でAは言った。
『この部屋はえらい
しーちゃんの屋敷やし、まあ目立ってヘンなコトが起こる訳でもないんやが…………
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰなーんで鬼の色がたんじろーに混ざっとるんや？』
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隆弘 - 誕生日一緒だァァァァァ⁉︎今日から読み始めるので楽しみって感じです‼︎ (2022年7月25日 0時) (
レス) @page1 id: 4c1fa166fb (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 拙い説明で申し訳ありません……！ですが、ありがとうございます！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - ルルさん» ご指摘ありがとうございます！紛らわしい書き方をして申し訳ございません…あくまで、炭治郎には火の呼吸という認識をワザとさせています。その後の閼伽が「日…ではない」と語っていますので、ここの間違いは意図的となります (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊しちでした (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊じゅう話の炭次郎が言ってる呼吸が日の呼吸ではなく火の呼吸になってます (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タロ。 | 作成日時：2019年9月25日 21時
