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拾弐 ページ13

Aが寝台を空けることが多くなってきた。
本人曰く、じっとしているのは性にあわないとか。
またしのぶさんに怒られますよ、という炭治郎たちの制止も虚しく、ふらりとどこかへ行っては薬を渡される時間になると音もなく戻ってくるという繰り返しで、同室である炭治郎たちが肝を冷やしていた。

だが、流石は馴れているといった所だろうか。
その脱走が未だにバレることは無かったのだ。
そして、寝台を抜け出してまでAがどこに行っているのかというと……









「……また来たのかよ」

『よ、天元』



宇髄邸である。
我が物顔で自らの家に居座るAに、天元は眉を寄せた。



「胡蝶にバレたらどうなる。俺まで派手に叱られるんだぞ」

『派手やからええやないの〜。地味よりマシやろ?』

「そーゆー問題じゃねぇんだよ怪我人」



天元とAは歳が近いせいもあってか仲がいい。
半ばAの一方通行な気がしないでもないが、なんやかんやで面倒を見てしまう天元の様子からして嫌ではないのだろう。



『怪我人言うたかて、俺治りがけで任務に行った人間やねんで?大丈夫やって』

「で、その治りがけをまた折って地味に帰ってきたのはどこのどいつだ?」

『やだ、それ俺のこと言うてるん?』



自覚があんなら蝶屋敷戻れ!と天元がAの頭に鉄拳を落とす。ガゴっと言う音とともにAが床へと叩きつけられた。

怪我人や言うなら労れやちょっとは……とAは頭をさすると天元へと恨めしい目線を送る。



『しゃーないやろ……鬼が俺呼んどるのに』

「ったく。その面倒な呼吸やめりゃいいんだよ」

『嫌や!この呼吸法編み出すのに俺が何年かけたと思ってんねん!』

「何年?」

『2ヶ月。』



かかってねーじゃねーか!と本日2度目の鉄拳が落ちる。いい加減自分の脳が限界を超えそうだとAは悟った。
天元の腕から繰り出される鉄拳はそんじょそこらの男の拳ではない。凡人が受けたなら頭骨が一気に砕け散る。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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隆弘 - 誕生日一緒だァァァァァ⁉︎今日から読み始めるので楽しみって感じです‼︎ (2022年7月25日 0時) (レス) @page1 id: 4c1fa166fb (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 拙い説明で申し訳ありません……!ですが、ありがとうございます! (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - ルルさん» ご指摘ありがとうございます!紛らわしい書き方をして申し訳ございません…あくまで、炭治郎には火の呼吸という認識をワザとさせています。その後の閼伽が「日…ではない」と語っていますので、ここの間違いは意図的となります (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊しちでした (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊じゅう話の炭次郎が言ってる呼吸が日の呼吸ではなく火の呼吸になってます (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タロ。 | 作成日時:2019年9月25日 21時

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