拾壱 ページ12
「……だが、どうしてこれを?」
耀哉は不思議そうに首を傾げる。
それを見てAは微笑んだ。
『遠征のお土産と、御守りにと思いまして。
仲良くなった異国人に、根付にしてもらったので好きなようにしてください』
俺なりの感謝ですよ、と耀哉から離れたAは背を向けてそのまま部屋の敷居をまたごうとした。
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「……A。」
呼び止められたAは、敷居を跨ぐ前に足を止める。
振り返ると、座ったままの耀哉が真っ直ぐにAを見つめていた。
「……私は、何色だい?」
その問いかけは、この時で何回目だったであろうか。
Aは、いつだって真摯な気持ちで耀哉に向き合っていた。
そして、歳の頃も変わらない産屋敷耀哉という人物そのものを思慕し、尊敬までしてきた。
『……相変わらず、何色にも染まらぬ白でございます』
嘘をついてまでも守り抜くと誓うほどには。
……僅かばかりの足掻きや。許してくれ、御館様。
Aはもう一度深々と頭を下げると、音もなく産屋敷邸を後にしたのだった。
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大正コソコソ噂話
「Aはね、西洋の文化も好きなんだよ」
『そうですね…そのせいなのか、おばちゃん(小芭内)に西洋かぶれとあだ名を付けられました……』
「おや、小芭内も正直だね」
『御館様?!』
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隆弘 - 誕生日一緒だァァァァァ⁉︎今日から読み始めるので楽しみって感じです‼︎ (2022年7月25日 0時) (レス) @page1 id: 4c1fa166fb (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - 拙い説明で申し訳ありません……!ですが、ありがとうございます! (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
タロ。(プロフ) - ルルさん» ご指摘ありがとうございます!紛らわしい書き方をして申し訳ございません…あくまで、炭治郎には火の呼吸という認識をワザとさせています。その後の閼伽が「日…ではない」と語っていますので、ここの間違いは意図的となります (2020年1月21日 18時) (レス) id: a185b79d93 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊しちでした (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
ルル - 珊じゅう話の炭次郎が言ってる呼吸が日の呼吸ではなく火の呼吸になってます (2020年1月21日 17時) (レス) id: 2200c5b181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タロ。 | 作成日時:2019年9月25日 21時