能力 10 ページ10
.
この学院は馬鹿デカくてオマケに頭がおかしいくらい広い。だから、そのだだっ広い土地の中に山が二つほどある
もしかしてあの中で暴れてるの??
何?野生児?野生人間なの??
「……あっ、ごめんなさい!もうそろそろ昼休み終わっちゃうので失礼します!」
「おー、日向達にも言っとくわ」
「仁花ちゃん、ありがとね!」
谷地さんは慌てた様にそう言って腕時計を見るので、私たちは手を振りながら彼女を見送った
残された私達の間に気まずーい空気が流れる。が、そんなものぶち壊してしまえばいい
「と、そう言えば黒尾さんはなんでここにいるんですか?」
「お前、会って数分でそれ聞くか?」
黒尾さんはあからさまに眉を顰める。
だが、まずは相手のことを知るのが一番だろう。
「ちなみに私は会長に喧嘩売りました」
「……は?……お前、命知らずだな」
一瞬、目を見開いて驚いたように見えたが、直ぐにニヤニヤ顔になり小馬鹿にするように小言を挟む。
僅かな違和感を感じながらも、私は続けた
「Dランクの差別化。理屈は分かりますがこれでいい人材が育めるとは思いません」
「俺達が良くないってことか?」
「逆ですよ。上の人たちです。」
黒尾は彼女の言葉に疑問が浮かぶ
胸糞悪い制度ではあるが、実際この制度のおかげで優秀な人材がこの学院を出ているのも事実だ。
「確かに、優れている者が上に立つのは分かります。でも、人間として未熟ならばその城は必ず崩れる。」
「……」
黒尾は何も言わない。
だがAは口を止めない
「人を嫌い馬鹿にする様な人々は必ずどこかで痛い目を見る。このやり方が間違いだとは言いません、でも絶対正解じゃない。だから私は変えたいんです
この制度を……そしてこの学院を」
そう言って真剣な表情を見せる彼女
迷いの無い真っ直ぐな彼女に、黒尾の瞳が僅かに揺れた。でも直ぐに目を伏せ、よく通る声で言い切った
「………無理だよ」
「なぜそう簡単に諦めるんですか」
「簡単にじゃない。どうやっても無理なんだよ。あの独裁者をどうにかしないと……無理なんだ」
「無理なんて……ッ!」
" そんな事はない " と続けようとして言葉が出なかった。
彼の目が、彼の気迫がそう物語って居たのだ。
……いや、押されるな。突き通せ。
「たとえ無理だとしても、もがくのを止めてしまったら、落ちていくばかりだ」
自分の気持ちに正直に生きたいから
.
399人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
0xx38t550360m7h(プロフ) - 甘納豆さんの作品大好きです!これからも頑張ってください! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 70db7652be (このIDを非表示/違反報告)
コアラランド(プロフ) - い、一体夢主ちゃんの後つけてたのは誰なんだ(;・∀・) (2020年1月10日 22時) (レス) id: 5b9d17e3ea (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - 26ってもしかしてにr((面白いです!!パロ系の話大好きなので頑張ってください!! (2019年12月22日 10時) (レス) id: 86e8f7f917 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!無理しない程度で頑張ってください (2019年12月19日 23時) (レス) id: 398e0a716f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ