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能力 2 ページ2

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しかしこの学校のことを全く知らない彼女が、校内のましてや職員室の場所を知っている訳もなく、Aは文字通りさ迷っていた


「ま、探索も兼ねてゆっくり行こう」


そんなお気楽少女……言い換えれば考え無しの自由人はそう言いながら重いトランクを持ち直した



しかしその探索も直ぐに終わりを迎えた



「………AAさんですね」

「うぉっ!なに!ここの奴らは驚かすのが好きなの!?」


突如後ろから聞こえた声にまた変な声が出る。
ここに来てから20分程で二度目の驚き。チョット、かなりのハイペースじゃん?

声のした方に視線を向けると黒髪のくせっ毛にキリッとした三白眼イケメンが立っていた。


「AAさんですね?」

「違うと言ったら?」

「……AAさんですね」

「ちょ、ごめんって、ちょ〜っとふざけただけじゃん。そんな睨むなよ。……私がAAで合ってるよ」


わざと聞き返すと、あからさまに眉を顰め鋭い視線を向けてきた彼。確かに悪かったとは思うけど、もう少しユーモアを持ってもいいんじゃない?


「A様、ようこそ龍堂学院へ。お待ちしておりました」

「え、さっきのお待ちしてた人に向ける視線だった?」

「……それでは生徒会室の方にご案内致します」

「無視か………って、だから睨むなよ。十代半ばにして眉間のシワが取れなくなるぞ?」

「………」

「君スルースキル高いね!」


私の言葉に耳は向けずとも、表情で反応を見せてくれる彼。なかなか面白い子だなと思いつつ、彼の後をついて行き生徒会室に向かった





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無駄に大きくて立派な木のドアに圧巻される
ドアの中心には《 生徒会室 》とこれまた立派な文字で書かれている

しかし、ここに来てひとつの疑問が浮かぶ


「そういやなんで生徒会室?普通職員室とかだろう」

「本校は生徒の自律の力を育むため、授業や学力面以外の権利は生徒及び生徒会に委ねられているのです」


その理由を聞いて思わずなんだそれ、と声が漏れる
自律だか何だか知らないけど、流石にそれはぶっ飛び過ぎだろう


「何それ、学校側のサボり?それとも生徒会の独裁政権??」

「…………」


私の質問に当たり前のようにスルーする彼
冷たいね、君


「あ、そう言えば君の名前はなんて言うの?」

「………」

「何か言ったらどうだ。その口は飾りか?」

「………何故あなたに言わなきゃいけないんだ」



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0xx38t550360m7h(プロフ) - 甘納豆さんの作品大好きです!これからも頑張ってください! (2020年3月9日 12時) (レス) id: 70db7652be (このIDを非表示/違反報告)
コアラランド(プロフ) - い、一体夢主ちゃんの後つけてたのは誰なんだ(;・∀・) (2020年1月10日 22時) (レス) id: 5b9d17e3ea (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ(プロフ) - 26ってもしかしてにr((面白いです!!パロ系の話大好きなので頑張ってください!! (2019年12月22日 10時) (レス) id: 86e8f7f917 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!無理しない程度で頑張ってください (2019年12月19日 23時) (レス) id: 398e0a716f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘納豆 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年12月2日 21時

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