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〇
『……いた』
「え、どこどこ〜?……あれ、無惨様が言ってる隊士じゃん。凄いね、A様。ピッタリ、居場所を見つけちゃったよぉ」
童磨とともに木陰からのぞく。すると、あんまり覗いていたからか炭治郎と善逸が振り返った。
リ、リアル…善逸っ!可愛いぃ―、下がり眉がめっちゃ可愛い!おどおどした目が可愛い!めっちゃ可愛い!もちろん、炭治郎もね。
「見つかった?」
『かも。……童磨、隠れててください。私が行きます』
「A様、太陽は?」
『和傘があるから大丈夫ですよ。何かあったら猗窩座を』
「あれぇ?俺じゃなくて?」
『童磨だと心配なので』
目をそらして答えると、童磨は不愉快そうに頬を膨らませた。プクプク、ホッペ。メッチャカワイイ……(語彙力の喪失)。
こういう時のために持ってきた傘を開き、森から街道へ出る。急に現れた私に、2人は刀の唾に手を触れつつも驚いた顔でこちらを見た。
「こ、こんにちわ」
「……っ、美人!」
『こんにちわ』
善逸がソワソワしだし、炭治郎は別の意味でソワソワしだす。なんだか踏ん切りがつかないような表情で私の姿を見た。炭治郎に気を取られていると、急に両手を握られた。
「あ、貴女!お名前は、な、なんて言うんですか?」
『ふぇ、Aです?』
「Aさんって言うんですね。綺麗な和傘が似合ってますよ!お、俺と結婚しませんか?ねえ?」
物凄い勢いで捲し立てる善逸にあっけに取られていると、私と彼の間に入るようにして炭治郎が入ってきた。さっきまでの悩みは吹っ切れたのか、顔をしかめ、鋭い表情をしている。今にも人を殺めそう。自分に対して初めて向けられた殺気に戸惑いしか感じない。こんなに鋭く、抉られるようで、足はひどく震えている。気力を少しでも失えば、倒れてしまいそうだ。
怖い。
単純に怖い。
やがて炭治郎は口を開いた。
「……お前、鬼だな」
ぐっと腕が大きく動いた。下から上へ振り上げるように動いた腕がすっと伸びる。慌てて間合いを取れば、鋭い切っ先が頬をかすめた。
これが妹を鬼にされた兄の執念か。物凄いドロドロしたものが伝わってくる。切っ先からあふれ出るように、私を飲み込んでしまいそうだ。
「”鬼舞辻無惨”を知ってるだろう」
びりびりする空気に恐怖と同時にこの世界に生きていると実感した。下弦の解体を止めて、物語の進み方を変えたのは私だ。
私が、責任を持たないと。
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ソフィア(プロフ) - 三千幸さん» 見てきます!陰キャ組とか無常とかいいですよね… (2019年11月21日 19時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ソフィアさん» はい!今、同名で2作品 書いて投稿しています。リッパー落ちとヤンデレ短編集ですが宜しければ読んでください!陰キャ組、白黒無常、写真家が好きなんです!……端末を持っていないのでゲームはやったことないんですが。 (2019年11月20日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 第五人格知ってるんですか?! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ミサモさん» そうですよねぇ。(*´▽`*) (2019年11月18日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ミサモ - 無惨可愛いなぁ(*⌒▽⌒*) (2019年11月18日 7時) (レス) id: 592a6abe49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年11月5日 20時