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ぱたん、と襖が閉まる音がして。誰かがこちらへやって来る気配がする。
やびゃいやばいやびゃいやばいやばいやばい…………っ!
「……A様、童磨様、猗窩座様、如何されました」
入ってきたのは鳴女さん。妙に緊張した面持ちだった3人を見て、首を傾げている。一瞬にして力が抜ける。
私は鳴女さんにしがみついた。
「A…っA!様!?」
『鳴女さんで良かった……っ』
「なぁーんだ、琵琶の君かぁ。あの方がいらっしゃったのかと思ったよ」
少し引きつった笑みでそう云う童磨をみて、鳴女さんは若干顔をしかめたような気がした。サラサラとした黒髪が若干、揺れる。そして彼女にしては珍しく、大きな声で童磨と猗窩座を怒鳴った。
「お二人方っ、A様のお着物を……っ、どうなさるおつもりですかっ」
『お、落ち着いて、鳴女さん。そうだ、この着物についた血を落としたいんです。お手伝い、していただけますか?』
「この血を……ですか。無理ではないです」
『本当ですか!』
鳴女さんの言葉に思わず、もう一度、抱きついた。鳴女さんが驚いて、私の肩をポンポンしていた。
鳴女さんと私は二人で部屋を出た。新しい服を出してもらい、それに着替えてから脱いだ着物を持っていく。鳴女さんに連れてきてもらった場所は無限城のうらのような場所だった。桶には水が張ってあり、少し薄暗い庭には物干しざおが置いてあった。
「……これでよし」
『綺麗になりましたね。ここに干しておいていいですか?』
「ああ、私がやっておきます。そろそろあの方が帰ってこられますよ」
そう云われ、自分の部屋に戻った。
不安な気持ちが解消され、私はふっかふかの敷布団の上に寝転がった。今日もよく眠れそうです。
翌日、無限城の裏にて……
無惨 「どうしてこの着物がこんなところに干してあるのですか?」
A 「……庭に出ようと思ったらこけてしまって」
無惨 「左袖だけ……器用ですね、姉さま」
A 「む、無惨……」
無惨 「はい、姉さま」
A 「童磨は良いけど、猗窩座さんは許してね」
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ソフィア(プロフ) - 三千幸さん» 見てきます!陰キャ組とか無常とかいいですよね… (2019年11月21日 19時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ソフィアさん» はい!今、同名で2作品 書いて投稿しています。リッパー落ちとヤンデレ短編集ですが宜しければ読んでください!陰キャ組、白黒無常、写真家が好きなんです!……端末を持っていないのでゲームはやったことないんですが。 (2019年11月20日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - 第五人格知ってるんですか?! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 94aa0ed7fc (このIDを非表示/違反報告)
三千幸 - ミサモさん» そうですよねぇ。(*´▽`*) (2019年11月18日 19時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
ミサモ - 無惨可愛いなぁ(*⌒▽⌒*) (2019年11月18日 7時) (レス) id: 592a6abe49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三千幸 | 作成日時:2019年11月5日 20時