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離してなんかあげない【童磨】 ページ7

「へぇ!そっかそっか、面白いなぁ?」

ああ、しまった。見られた。
童磨さんに、他の男性と話しているのを。



童磨さんは、まとわりついて離れない。
それこそ、蛇のように。

「ねぇ、A。俺、正直者が好きなんだよね。」

ふふ、と優しく微笑んでいるつもりなのだろうが、目が全く笑っていない。
いや、本当に怖い。待って、無理。

「存じております…。」

「じゃあ、聞くよ?」

力強く男の頭を掴んで、私の目の前に突き出す。
男はあまりの速さに、脳が追いついておらず目をゆっくり瞬きさせていた。

「この男は、誰?」

「みっ、道を、聞かれて…。」

「うんうん、それで?」

「お礼に、お茶でも…どうかって…、聞かれて…。」

「まさか、行こうとはしてないよね?」

「勿論です…!!」

よしよし、いい子。と私の頭を撫でた横で赤い物が飛び散る。
私にかかるよりも早く童磨さんが、腕で塞いでくれたがそもそも殺さないで欲しい。

「童磨さん!何も殺さなくても…!」

「なんで?俺のAに、手を出そうとした罰だよ。罪を犯した者には、しっかりと罰を与えないとね。」

はっはっはっ、と愉快そうに笑う彼に背筋が凍る。
何故、私はこんな人…いや、こんな鬼のお気に入りになってしまったんだろう。

「私を早く、御館様の所へ返して下さい。」

「なら、俺に早く勝たなきゃね?」

そう、悔しいことに私はこの鬼に負け続けている。

さっきのことも、本当は腸が煮えくり返るくらい怒っているのだが、私では所詮適わぬ相手。
いくら、仇をとろうとしても無駄なのだ。

「…なんで、私を。鬼殺隊の、私を…。」

「うーん、一目惚れ、かな?一目見て、好きになっちゃったんだよ。」

私の頬に手を添え、軽い口付けをする。

やめて、やめてよ。
鬼が、私に触れないでよ。

「猛烈に俺の事嫌いだろうけど、安心してよ。きっと、もう時期、ここまで堕ちてくるさ。」



不敵に笑う彼から解放される日は、きっと、もう。

作者の間→←親分の優しさ【嘴平伊之助】



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青魔導師(スマホ) - 最&高だった。それで、前に調べ物してる時に知ったんだけど、母乳や◯液って血から作られるらしい。という事はつまり……しばらくは困らないね? (2019年12月17日 0時) (レス) id: ac185f7a00 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - またリクエストいいですか?夢主柱で夢主は煉獄と協力して伊黒実弥にドッキリをする。煉獄が血鬼術で耳が遠くなったと伊黒実弥に話す。伊黒実弥信じて他の柱達に煉獄が血鬼術にかかった事を話してしまう。お願いします。 (2019年12月16日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
らむん(プロフ) - 美桜さん» いえ!こちらこそ、ありがとうございました! (2019年12月16日 4時) (レス) id: ff4d4c9823 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - らむんさん» ありがとうございます。煉獄の話良かったです。 (2019年12月14日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
らむん(プロフ) - プッツンさせたいなぁ…とか、色々考えているので楽しみにしててくださいね!! (2019年10月21日 8時) (レス) id: ff4d4c9823 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らむん | 作成日時:2019年8月1日 2時

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