【鬼滅の刃】愛してる、誰よりも。【短編集】

続き ページ21

「待て！！！！」

「いやあああ！来ないで！！！」

あまりにも情けなくて逃げ出したが、流石体育教師。
足が速いこと速いこと。

秒で捕まりましたよ。

「A……の好きな人は、俺なのか…？」

「ああ、もう、そうですよ！！そうだって言ってるじゃないですか！！」

逆ギレで言い返すと、冨岡先生は義勇の時みたく笑った。
いつも、隣で見てたあの笑顔で。


『「俺も、ずっとAが好きだった。」』


ずっと昔に聞いた言葉と同じ。
貴方は、昔と変わらずずっと生きていてくれたんだね。

堪らなくなって抱き締めた冨岡先生の温もりを、決して失うまいと決意した。

「ずっと、お守りします。」

「それを言うのは、俺じゃないか…？」


その日の鬼殺隊での仕事で、皆に話したら泣いて喜んでくれた。

「ド派手にお祝いするぜ！！」

「もう、泣かなくていいんだね。良かった。」

「おめでとうございます！」

「なんかよくわかんねぇけど、良かったな！！」

「ああ、Aさんがあああ！でも、お幸せに！！」

仲間がいて、好きな人がいる。
私は、なんて恵まれているのだろうか。


鬼が出て大切な人を失う大嫌いな夜を、今日は少しだけ好きになれた気がした。

☆死ぬ程心配した【実弥＆無一郎】→←続き

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