【鬼滅の刃】愛してる、誰よりも。【短編集】

続き ページ2

だが、まぁ。そんな嫌な所であいつは来るわけで。

「Aちゃあああああん！！！！！！どうして逃げるのおおおお！！！？」

「こっち来ないで！！嫌い！！！本当に嫌い！！！！！」

「そんな事言わないでええええ！！1回、話そうよおおお！！誤解だってええええ！！！」

「何があってこうなってるのか分かってるのに聞いてきたの！！！？」

雷の呼吸の使い手である善逸に、適うわけもなく、あっさり捕まってしまった。

「あれは炭治郎だよ！！任務で恋仲のフリしなくちゃいけなくて、炭治郎が女役だったんだ！！」

「は…？」

息の切れている私と善逸に、炭治郎が走って来て凄い勢いで説明した後、土下座してきた。
それを、私は凄い勢いで止めてなんとか仲直りしたが、炭治郎はもう次の任務に行ってしまった。

「ね、Aちゃん。」

「何？」

「俺、女の子大好きだしヘタレだけど、 心の底から愛してるのはAちゃんだけだよ。」

「善逸？」

「もう、Aちゃん以外の子なんて考えられないんだ。本当は、Aちゃんには鬼殺隊を抜けてもらって、俺達だけの家を建ててそこで暮らしたいんだけど…。」

真剣に話している善逸を見て、思わず笑ってしまった。
そんな私を見て、善逸も笑って。

蟠りも解け、幸せな雰囲気の中、私はずっと持っていた贈り物を渡した。

「ありがとう！！一生、大事にする！！」

「大袈裟だよ。」

隣で喜んでいる善逸の手を取って、口付けをした。

「死んじゃダメだよ。私より先に死んだら、私も後を追いかけるから。」

「死ぬ気で守ってみせるよ、約束もAちゃんも。」



どちらからともなく口付けをした。
それは、世界一優しい口付け。

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