教えてオルゴール ページ46
その日の夜、フレッドは、実はこっそり寮に持ってきていたAからのオルゴールを見ていた。バレたら絶対に揶揄われて面倒な事になるし、ほんの一年前の自分だったら絶対に持ってこないのに。
何故だが、実家に置いていく気にはなれなくて持ってきていたのだった。
いっそ、壊してしまおうか_______フレッドにそんな考えがよぎる。
貰い物だぞ、物に罪は無い！と言う天使と
俺に嘘をついてた最低な奴からの物だぞ、壊せ！と言う悪魔が
頭の中で言い合いをしている。
正直、今のフレッドは悪魔の意見に賛成だった。
フレッドがオルゴールに手を伸ばそうとした時、何者かに先にオルゴールを取られた。
「へ〜綺麗じゃん、オルゴール？クリスマスん時もらってたのってこれか」
何者かはジョージだった。
あのクリスマスの朝、フレッドは咄嗟に服の中に隠してしまったので、ジョージは何をもらったのか見てなかったのである。
「まぁ...でもどうせ今から壊すし、もうすぐそれはオルゴールじゃなくてガラクタになるよ」
フレッドのその言葉を聞いてるのかいないのか、ジョージはオルゴールをまんべんなく見て、そしてぜんまいを見つけた。
するとそのぜんまいを巻きだした。
「ッ、おい！」
枯れた白薔薇の蕾が開き、それはミュージカルのようにAの声で歌い出す。悲劇のヒロインのように見えていた白薔薇は、今じゃ甘い戯言を並べるだけの詐欺師にしか見えなかった。
「アイツ、歌上手いんだな」
「...はぁ...ジョージ、俺がそれ聞きたく無いって分かっててやっただろ」
「許せよフレッド、これはかわいいイタズラだ」
ジョージは軽くウインクをする。オルゴールから流れるこの歌を聴きながら、フレッドの方を向くと、
「壊すの、勿体無いと思わないか？
______なぁ、いらないならくれよ、俺に」
「...は」
ジョージはそう言い、フレッドの喉から思わず声が溢れた。
なんて言った？いらないならくれ？何を________オルゴールを？
ジョージはそのオルゴールを自分のカバンにしまおうとした。
フレッドはそれを見た瞬間、勝手に体が動いて、
気づいたらジョージを押し倒してオルゴールを取り返そうとしていた。
「痛ッ____何、だよ...いらないんだろ？」
「っそ、う...だけど___ッ！」
フレッドだって、どうして自分がこんなに焦ってるか分からなかった。さっきまで壊そうとしていた筈なのに。
なぁ、教えてくれよオルゴール
どうして俺はアイツの歌を手放せない？
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ちとせ(プロフ) - ちぢぶさん» レスにレス失礼します、ええー！ええー！すごくすごくすごく嬉しいです（ ; ; ）続編もとっても楽しみです☺︎ (2023年3月5日 11時) (
レス) @page50 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ちとせさん» わ〜！ありがとうございます〜！！是非これからも3人の物語を見守っててくださいませ...！私もちとせさんの作品を愛読させて頂いてます...！！大好きです...ﾍﾍ...^^*こちらこそ応援してます！更新頑張ります！ (2023年3月5日 9時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - コメント失礼します☺︎女の子とフレッドくんはもちろん、ジョージくんも可愛くてかっこよくて素敵です、みんな幸せになって〜〜の気持ちで読んでます（ ; ; ）これからも応援してます、すきです♡♡ (2023年3月4日 21時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - rapierさん» わー！ありがとうございます...！嬉しいです...更新頑張ります！ (2023年2月25日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
rapier(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです!応援してます‼︎ (2023年2月25日 19時) (レス) @page7 id: bda167fb53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年2月18日 0時
