お前のせい ページ44
「フレッド_____私なんかに愛されて、かわいそう」
Aのその言葉に、フレッドは今までに感じたことのない怒りを感じた。腹の底から煮えたぎるような怒りが血液に乗って指先まで流れていく。
「は...何だよそれ、俺がかわいそう？冗談だろ」
フレッドは怒りが抑えきれないというように言い放った。
さっきからAがおかしいことにフレッドは気づいていたが
そんなこと気にしていられない。
「勝手にお前が俺を好きになったんだろ
それなのに俺がかわいそう？バカ言えよ、かわいそうなのはお前だよ。人を勝手に巻き込んで、勝手に人をかわいそうにして、勝手に後に引けなくなってさ」
フレッドは畳み掛けるように声を出す。ブラウンの瞳にいつもの冷たさはない。ヴァイオレットの瞳に、いつもの熱はない。
ブラウンの瞳は怒りの熱が込められて、ヴァイオレットの瞳は無機質な冷たさが込められていた。
「今までのも全部、俺のことかわいそうだなとか思いながら言ってたのかよ。愛してるだとか、キスしたいだとか、それも全部、かわいそうからきてたのかよ。本心からじゃなかったのかよ」
フレッドはどうしてこんなにも悔しいのか分からなかった。別に、Aが本当は自分のことが好きじゃ無くても構わないはずなのに。むしろこれから愛を捧げられなくて済む、こっちからしたら好都合なのに。
「嘘よ。全部________かわいそうなのが可愛くて、つい」
その言葉にフレッドの中で何かがキレた。
止めていた何かが溢れる感じがして、フレッドはいつのまにかAの喉に杖を突き刺していた。
壁に肘をつき、体でAを壁に押し付けて身動きがとれないように。
「ふふ____これ、恋愛小説で見たシチュエーションだわ」
「こんな時でも軽口かよ、だからずっと嫌いだったんだ、お前のこと」
「私は好きよ」
「嘘って今言ったくせに、よく言うよ。俺をどれだけ怒らせれば気が済むんだ」
ぎゅっと杖を握る手に力を込める。壁に押し付けたことにより衝動でズレたAの眼鏡から、ヴァイオレットの瞳がのぞいた。
あまりにも冷たいその目に、本当に自分は映っているのかとフレッドは聞きたくなった。美しいその目は、あまりにも残酷だった。
「________こんなに近づいて......もらえないなら奪ってしまおうかしら」
耳元で囁かれた。フレッドは勢いよく離れた後
「二度と話しかけるな」
そう吐き捨ててその場を去った。
そこには涙が落ちる音だけが残った。
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ちとせ(プロフ) - ちぢぶさん» レスにレス失礼します、ええー！ええー！すごくすごくすごく嬉しいです（ ; ; ）続編もとっても楽しみです☺︎ (2023年3月5日 11時) (
レス) @page50 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ちとせさん» わ〜！ありがとうございます〜！！是非これからも3人の物語を見守っててくださいませ...！私もちとせさんの作品を愛読させて頂いてます...！！大好きです...ﾍﾍ...^^*こちらこそ応援してます！更新頑張ります！ (2023年3月5日 9時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - コメント失礼します☺︎女の子とフレッドくんはもちろん、ジョージくんも可愛くてかっこよくて素敵です、みんな幸せになって〜〜の気持ちで読んでます（ ; ; ）これからも応援してます、すきです♡♡ (2023年3月4日 21時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - rapierさん» わー！ありがとうございます...！嬉しいです...更新頑張ります！ (2023年2月25日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
rapier(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです!応援してます‼︎ (2023年2月25日 19時) (レス) @page7 id: bda167fb53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年2月18日 0時
