綺麗な君 ページ30
瞬間、Aは目を見られまいとギュッと目を瞑ってしまった。
しかしジョージはしっかりと網膜に焼き付けた。
花畑に揺れるスミレの花を彷彿とさせる美しいヴァイオレットの瞳と、髪の毛と同じ色をした濡羽色のまつ毛。
いつも俯いた時や横を向いた時にしか見えなかった瞳が、そこにはあった。真正面から見た時の破壊力は凄まじいものだった。
確かに前から実は綺麗な顔をしているんじゃないかとは思っていたが、ここまでとは予想していなかった。
確かに一瞬、彼女の震えるヴァイオレットの瞳と妹と同じ鳶色の自分の瞳がかちあった。
この瞬間、ジョージは言い表せられないような感覚に襲われた。今まで感じたことのない感覚だった。
どこか背筋がぞくりとして、喉が鳴った。
「あーーー......うん、オーケー、もう大丈夫」
ジョージはごめんな、と言いながら眼鏡から手を離しAと距離をとる。
一部始終を見ていたフレッドは、ジョージの頭がとうとうおかしくなってしまったのかと思ったし、ジョージの考えることがこの時ばかりは分からなかった。
「し、心臓に悪いわ......もうやめてね、今みたいなこと」
優しい口調だが、心の底から拒絶しているのが分かって
ジョージは少し悪いことをしたなと思った。
Aはすっかり、また汚い眼鏡をつけていた。もうヴァイオレットの瞳は見えない。
「じゃあね、かわいい双子ちゃん達______あっ！
いえ待って、フレッド！今ジョージにやったことしてもいい？
とっても可愛かったから.....
お手！」
「するわけないだろ！？」
犬扱いされたフレッドはふざけるなと怒りながら
差し出された手のひらをベチンと叩いた。
「やだもっと優しくしてちょうだい！
でもこれは愛の鞭っぽくていいわね...もう一回お願いできる？」
「ここは少年少女達の健全な学舎だぞ、オトナな店じゃない！」
フレッドはフン！と言うとジョージの腕を引っ掴み走っていってしまった。急に引っ張られたのでジョージは少しバランスを崩しかける。
お前の口から"健全"とかいう言葉が飛び出してくるなんてな、と思いながら、「オトナな店ってたとえば何？」と聞くと
「俺はお前をアズカバンにぶち込んでもいいんだぞ」と
目の笑っていない顔で微笑んだので、フフ...と聖母のように笑い返した。
引っ張られた腕をさすりながら、ジョージは考えた。
さっき見たもの、フレッドには内緒にしよう、と。
初めて相棒に隠し事をした瞬間だった。
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ちとせ(プロフ) - ちぢぶさん» レスにレス失礼します、ええー！ええー！すごくすごくすごく嬉しいです（ ; ; ）続編もとっても楽しみです☺︎ (2023年3月5日 11時) (
レス) @page50 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ちとせさん» わ〜！ありがとうございます〜！！是非これからも3人の物語を見守っててくださいませ...！私もちとせさんの作品を愛読させて頂いてます...！！大好きです...ﾍﾍ...^^*こちらこそ応援してます！更新頑張ります！ (2023年3月5日 9時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - コメント失礼します☺︎女の子とフレッドくんはもちろん、ジョージくんも可愛くてかっこよくて素敵です、みんな幸せになって〜〜の気持ちで読んでます（ ; ; ）これからも応援してます、すきです♡♡ (2023年3月4日 21時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - rapierさん» わー！ありがとうございます...！嬉しいです...更新頑張ります！ (2023年2月25日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
rapier(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです!応援してます‼︎ (2023年2月25日 19時) (レス) @page7 id: bda167fb53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年2月18日 0時
