サマーホリデー ページ18
ホグワーツも夏休みに入り、一年を終えた生徒たちは皆、愛する者が待つ我が家へ帰って行った。
それはAも同じで、
フレッドに愛を囁きつづけた一年を終えて、夏休みに入った。
しかし他の子と違うのは、彼女の帰る家には"愛する者"は待っていない、というところだった。
ノッテボーム家は、半純血である。
しかし今を生きるノッテボームの人間は、Aしかいない。
不思議な事に、ノッテボームの人間は
1人子供を産むと忽然と姿を消すのだ。
きっとそれは、どこかへ逃げたのでも、
誰かに連れ去られたのでもなく、
1人子供を産んだのちに、自ら命を経ってしまっているからであろう。その理由はただ1人残されたAには分からない。
昔家の中で見つけた、自分の母であろう女性の日記には、
"過去にノッテボーム家に生まれた者達は、子孫を1人残した後に全員消えているらしい。自分の母親もそうだった。きっと昔からそうなのだ。私も子供を産んだら消えなければならない。
これは私たちの血に刻まれた本能なのだ。抗えない。
______あぁ、我が子を愛する時間も神様は与えてくださらないなんて_________"
と、最後の方には涙のあとが滲んで、もはや感情のまま殴り書いたかのように記されていた。
この日記から察するに、
ノッテボーム家は代々女性しか生まれず、
子供が産める年齢になったらマグルでも魔法族でも誰でもいいから、愛した男と子供を成し、そしてその子供を置いて自ら命を経っていたらしい。
これまでの男達は皆どうなっていたか知らないが、
Aの母は男に何やら魔法をかけたらしい。
その呪文も共に日記に記されていたが、涙でインクが滲んでしまっていて読めなかった。
どうして女性しか生まれないのか、どうして子を成したら死なねばならないのか、どうして男に子供を預けないのか、
残された者にはその真相は何も分からない。
残された子は皆、屋敷しもべ妖精達に育てられる。
それはAも同じで、小さい頃から妖精達を一緒に過ごしてきた。しかしノッテボーム家に使える屋敷しもべ妖精達は特殊で、ことあるごとに
「A様も早く子を産み、その御命に終止符を打たねばなりません。さぁ、安心して早くフィアンセを見つけなさってください。後は全て私たちにお任せを」と言うのである。
洗脳されているのか、馬鹿の一つ覚えのようにそう唱える。
Aはこれが不快で仕方がなかった。
まるで、早く死ねと言われているみたいで。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちとせ(プロフ) - ちぢぶさん» レスにレス失礼します、ええー！ええー！すごくすごくすごく嬉しいです（ ; ; ）続編もとっても楽しみです☺︎ (2023年3月5日 11時) (
レス) @page50 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ちとせさん» わ〜！ありがとうございます〜！！是非これからも3人の物語を見守っててくださいませ...！私もちとせさんの作品を愛読させて頂いてます...！！大好きです...ﾍﾍ...^^*こちらこそ応援してます！更新頑張ります！ (2023年3月5日 9時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - コメント失礼します☺︎女の子とフレッドくんはもちろん、ジョージくんも可愛くてかっこよくて素敵です、みんな幸せになって〜〜の気持ちで読んでます（ ; ; ）これからも応援してます、すきです♡♡ (2023年3月4日 21時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - rapierさん» わー！ありがとうございます...！嬉しいです...更新頑張ります！ (2023年2月25日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
rapier(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです!応援してます‼︎ (2023年2月25日 19時) (レス) @page7 id: bda167fb53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年2月18日 0時
