ほら、集中して ページ13
「ほら、集中して」
急にAが顔を上げてフレッドにそう言った
あまりに突然のことだったのでフレッドは言葉に詰まる
まさか見てることに気づかれていたなんて
「そんなにじっと見られちゃ、こっちも集中できないわ」
Aは頬杖をして妖しく笑う
アメシストは眼鏡の奥に隠れてしまった
「...俺は集中してる。君が集中できてないだけだ」
「それって私に集中してるってこと？
んふ、最近フレッドってたくさん口説いてくれるのね
嬉しい、もっと言って？」
何を言っても彼女の底抜けのポジティブ思考により
嫌味な発言は捻じ曲げられてしまう
彼女の前では何を言っても無駄なのだ
「ウゼ〜」
彼女のこう言った発言にもう慣れてしまったフレッドは
適当な返事をして勉強に戻った
「...フレッド」
「...」
「フレッド」
「.......」
「フレッド」
「あぁもう何！図書館では静かにしなくちゃいけないんだ...
ぞ...........」
どのくちが言うか、とさっきからボソボソとした話し声に迷惑してるその場の生徒全員が思ったとき、
フレッドの言葉が不自然に途切れた
Aがとある箇所を指差していたからだ
そこはさっきまでフレッドがペンを動かしていたところだった
ちょうど、Aの目を見ていた時に書いた場所だ
そこには
"Violet"と、確かに書かれていた
フレッドは何が起きたか分からなかった
自分が？自分が書いたのか、これ。いつ、どうして、なんで
「ここ、"violet"じゃなくて"vince"よ」
Aの訂正を促す声が脳に響く
いつもと変わらない声色が、無性に大きく聞こえた
何故だか耳が熱い。体が熱い。
誰か館内でインセンディオでも唱えたのか。
本は燃えるんだからやめろよ、危ないだろ
「もしかして___
_________私の目、見てたから？」
ガタン！！！！
何の音だと周りの生徒たちは一斉にフレッドを見る
フレッドが勢いよく立ち上がったので、椅子が倒れたのだ
フレッドは素早く倒れた椅子を起こし元の位置に戻すと
立ったまま"violet"の文字をインクで塗りつぶした
その下に"vince"と殴り書きすると、開いていた教科書達を全て閉じて一気に抱えて本棚の方へ走り出した
司書の「図書館では静かに！」という叱責の言葉が飛ぶ
周りの生徒達は、全く迷惑だと思いながらも、すぐに自分の勉強に取りかかった
しかしリーとジョージはそれどころではなかった
立ち上がったフレッドの顔があの赤毛よりも真っ赤だったからだ
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ちとせ(プロフ) - ちぢぶさん» レスにレス失礼します、ええー！ええー！すごくすごくすごく嬉しいです（ ; ; ）続編もとっても楽しみです☺︎ (2023年3月5日 11時) (
レス) @page50 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - ちとせさん» わ〜！ありがとうございます〜！！是非これからも3人の物語を見守っててくださいませ...！私もちとせさんの作品を愛読させて頂いてます...！！大好きです...ﾍﾍ...^^*こちらこそ応援してます！更新頑張ります！ (2023年3月5日 9時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - コメント失礼します☺︎女の子とフレッドくんはもちろん、ジョージくんも可愛くてかっこよくて素敵です、みんな幸せになって〜〜の気持ちで読んでます（ ; ; ）これからも応援してます、すきです♡♡ (2023年3月4日 21時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
ちぢぶ(プロフ) - rapierさん» わー！ありがとうございます...！嬉しいです...更新頑張ります！ (2023年2月25日 20時) (レス) id: a1d11d1f69 (このIDを非表示/違反報告)
rapier(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです!応援してます‼︎ (2023年2月25日 19時) (レス) @page7 id: bda167fb53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぢぶ | 作成日時：2023年2月18日 0時
