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4.危険な匂い ページ4



それからというもの、結婚を近々に控えているかもしれないと聞かされた。
その警察の方も、結婚に乗り気らしく。

「あ、あの!色々先輩に相談したいんです!」
「え、相談?」
「先輩には言っちゃいましたけど…その内、他の先生達にも言わないといけないんで…それに、まだちょっと不安もあるんです…結婚のこととか、その準備のこととか……ダメ、ですかね?」

あざとい上目遣いおねだり&赤面。
心臓に今度は矢が刺さった。
私は右手をぐっとに「いいよ」と即答OKしていた。
目の前には、「わあっ、ほんとうですか?!ありがとうございますっ!」と安心したような顔で笑う花乃ちゃん。

「結婚式、絶対に最初に鈴宮先輩誘いますからっ!!」

と、ガッツポーズをして子犬みたいに尻尾をぶんぶん振っているように見える。
まあ、可愛いから良いか......

と、思ってしまいそうになった矢先、私の脇役の勘が働いた。


「……花乃ちゃん。ところで、その警察で働いているって、なんて言う名前の警察なの?」
「えーっと……
しんせんぐみ?って名前の警察だったような気がします。幕府直属の」


その瞬間、私の直感はビビっと危険を察知。
しかも、幕府直属となると恐らくそこはメインキャラ達がわんさかいる巣窟に違いない。
曖昧ながらも、そう頭では察していた。

「ちなみに、まだ少し先の話になると思うけどそのしんせんぐみ?って人達も誘うの?」
「一応、普段お世話になっている局長さんあたりや親しい方達は多分彼が誘うんじゃないかな、と思ってます」

うん、危険な匂いがぷんぷんするよ。確定だよ。
これもしかしたら、この脇役守るためには挙式に出るのは危険行為なのでは…。
どうしようか…でも、断ったら花乃ちゃん悲しむだろうし…困った。
今私は脇役を守るためと、後輩ちゃんの結婚式というどちらも重要な選択を迫られている。
花乃ちゃんは既に私を誘う気満々だし、断る理由が私にはまずない。
しかし、この地位だけは何としても死守しなければ。


「あ、あのね花乃ちゃん。」
「はいっ、なんですか?」

そう目をキラキラして私を見つめる目に、言葉が詰まる。


「け、結婚式なんだけど、さ………



行けるように頑張るねっ!」


やってしまった。
訂正しようにも時すでに遅し。
目の前には喜ぶ花乃ちゃん。

意気地のない私には、後輩ちゃんを落ち込ませるなんてまず無理だ。


私は、ただそれだけしか言えなかった。

5.落ち込んではならない、その矢先→←3.可愛い子は皆ヒロイン



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作者名:朝顔 | 作成日時:2021年3月1日 18時

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