箱推しなので箱ごと守ろうと思う 弐【鬼滅の刃】

漆拾弐 ページ22

·








結果を先に言うと鬼襲撃事件には間に合わなかった。



鬼をボコボコにする無一郎くん事件にも間に合わなかった。









家に着くと、既に無一郎くんは力尽きて眠っているようだった。有一郎くんは辛うじて息がある。



このままでは出血多量で死んでしまう。



私は、迷わずおまじないを使った。




『………バチならもう当たったよ。よく耐えたね。



………私の腕を、あげようね』






私の左腕が消えていく。


徐々に、指の先から。






痛てぇ〜指先からかよ〜！！どうせいくなら腕の根元からいってよ〜！！ちょ、まじで痛てぇ！！！お願いだからッ！！






『…………んん〜〜っ…いてぇ…！……あ、おわり…？』



そんな私の願いも虚しく、指先から齧られていくような痛みを味わいながら腕はなくなっていった。



つらい……泣くかと思った…てかこれで泣いてない私つよい……





『(うわ〜傷口結構…アレだね…うん……)』




早速塞がり始めてはいるものの、これ腕生えきるの一ヶ月くらいかかりそうだな…戻るまで暫くは身を隠すか……







お館様には、ここに至るまでの経緯と一ヶ月の不在の理由を、隠にはこの二人を私の屋敷へ運ぶように、という旨を書いた手紙を烏くんに託す。




最近休んでばかりだな〜申し訳ないな〜人手足りるのかな〜？




あ、でも日本横断おにぎり旅(※59話参照)のおかげで任務の数がガクッと激減したってみんな言ってたな。



おにぎり旅したの私ってみんな知ってるのかな？まぁ知らなくても言わないけど。おにぎり旅したって言ったらなんか嫌味みたいじゃん。「今おまいらが暇なのワイのおにぎり旅のおかげやぞ」みたいな。




え？おにぎり旅って言いたいだけだろって？


そんなことあるわけないでしょ。おにぎり旅。






…………おにぎり旅。







·

漆拾参→←漆拾壱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す