箱推しなので箱ごと守ろうと思う 弐【鬼滅の刃】

陸拾壱 ページ11

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胡蝶しのぶside









彼女が子供と楽しそうに話すのを、影から見ていた。



…面の下は、あんな顔だったのか。






し「…………………」





彼女と会うのは二回目だ。


前にこの屋敷に来た時も、今のように優しい滑らかな声で子供と接していたのを覚えている。



見ていて、この人が善い人だというのはすぐにわかった。




姉さんも、その人の人柄を知ってか知らずかすぐに懐いた。




私は焦っていた。



姉さんが、あの人に取られてしまう。


私には、姉さんしかいないのに。







だがそれは杞憂に過ぎなかった。


姉さんが私の元から離れていく様子は少しもないし、あの人は私たちを姉妹として扱い、冷たくしている私にも平等に優しく接する。




仲の良い私達姉妹のやり取りを見るのが好きなんだと、その目が語っていた。



姉さんと私が話していると、彼女は幸せそうに目を細めてこちらを見るのだ。



なぜそんな顔ができるのかわからなかった。







彼女は、あらゆるものの中心に愛を置いている。





そんなこと、並大抵の人はできやしない。







……よく見ると、彼女のタイツが少し分厚くなっているのに気付く。




あの時の言葉、気にしてたのか。


あれは、あの時私が彼女を牽制しようと強引にこじつけた言葉だったのに。




申し訳ない反面、少し笑ってしまった。



わざわざ他のを用意したなんて、律儀なとこがある。可愛らしいと、思った。





私は、そんな彼女が好きだった。




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