箱推しなので箱ごと守ろうと思う 壱【鬼滅の刃】

参拾捌 ページ38

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桑島様の屋敷なう。今日はかいがっくんのお稽古です。



あれから二ヶ月に一回ほど稽古をつけてるんだけど、その成長の早いこと。



なんかもういいんじゃね？私が教えることもうそんなにないよ？




そんな感じの旨を本人に伝えたところ、





獪「いや、まだだ。先生とAの教えで俺はまだ強くなれる」







……ホー？それは結構私のことも信頼してくれているという認識でよき？


これが獪岳のデレ？？ホー？？？







ということで、未だに通い続けているのであります。






『今日は鬼ごっこをしよう。私の腕を掴めたら合か＿』




＿＿ザッ！！



『…おっと、まだ初めの合図を出していないんだが…』




透き通る世界で相手の微小な予備動作さえも読み取れてしまうので、不意を突こうとした獪岳くんを抑えるのは簡単なことだ。



伸びてきた腕を掴み、背後を取って地面にねじ伏せる。





獪「………クソ…もう一度だ」


『よし、頑張ろうね』





態度も昔より幾分か柔らかくなったように思う。


うれちいな……






鍛錬に関しては甘やかす気など一切無いので初めから本気で鬼ごっこした。




『踏み込みが甘い！ここの地面は砂だ。そのような踏み込みでは細かい砂に力を全て吸収されるぞ！

いいか、一対一の戦いでは早い方が勝つ！初速度を上げろ！相手に先手を取らせるな！』



獪「わァってるよ！！黙って俺に捕まれェ！！」





＿＿




結果、日が暮れるまで獪岳くんは私を捕まえられませんでした。


そりゃそうさ。私ネコバスだから。


その私の腕を掴めるのは鳴柱かトトロかネコバスしかおらん。仕方ない。







ということで稽古終わり。



帰り際、かいがっくんが桃をくれました。





熟れてません。青いやつでした。びっくりしました。







おま…ほんとに私の事すき…？(好きとは言ってない)


信頼してくれてると思ってたのに……






ショックに打ちひしがれながら背を向けたところ、腕を掴まれ今度は綺麗なピンク色の桃が沢山入った籠を渡してくれました。




驚いて顔を見ると、獪岳くんは少し口角を上げて言った。






獪「……次は絶対捕まえてやるよ」




『(キュン)』







つかまえてぇぇぇかいがっくぅぅぅぅん！！！！






＿＿＿＿



〜大正コソコソ噂話〜


獪岳くん、Aさんのお顔を見たことあるそうです。休憩中に見てしまったらしい。見惚れて固まってしまったそうですよ。珍しいですね。



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