壱 ページ1
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友人Aside
「……………は?」
AAが、死んだ。
突然の訃報は、高校のHRでのことだった。
小さな女の子が轢かれそうになったところを庇って、死んだらしい。
なんともありきたりな話だ。
ありきたりすぎて笑いも出てきやしない。
葬儀はなかった。彼女には、親族がいなかった。
あぁ、保護者とは名ばかりの冷たい叔母がいたが、その人はAが一人住んでいた家を片付けに、一度この街を訪れただけだった。
いつも笑顔を絶やさなかったAが唯一顔を僅かに歪めるのは、その人の話をしている時だけだ。
余程酷い女だったらしい。
だが不憫なもので、子供というのは大人に頼るしかない。
両親の遺産に手を出されながらも、Aは懸命に生きていた。
…可愛らしくて、優しい子だった。
自然と人が集まるような、陽だまりのような子だった。
皆が彼女を慕っていた。
傍で見ていれば、自分を犠牲にする子だというのはすぐにわかる。
その度にA自身が損をしていて、その度に私はAを叱った。
__「優しいだけじゃ、早死するよ」
私の言葉に、Aは曖昧に笑った。
彼女が死んだのは、それから一週間後の事だった。
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Kさん - なんかこの作品のおかげで小芭内のこと好きになったわ.....この作品好きぃぃ!! (6月14日 20時) (レス) @page36 id: 91d89c4fce (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2022年11月5日 11時) (レス) @page14 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
カド松(プロフ) - 彼女、気づいたら痣だらけになってそう (2020年11月14日 19時) (レス) id: 8d052b9284 (このIDを非表示/違反報告)
咲拉(プロフ) - お返事ありがとございます!M2様の文は個性豊かで面白い所も皆様に刺さるポイントだと思っています。これからもM2様らしいコミカルさも折り込まれた作風を楽しみにしています!真摯に対応して頂いてありがとございました。今も大変かと思いますが、体調気を付けて下さい。 (2020年4月21日 13時) (レス) id: 94dbf7702a (このIDを非表示/違反報告)
M2(プロフ) - 咲拉さん» 読み返してみると結構拙い文が多いですね…申し訳ないです。今度リメイクしてみようと思います!有難く参考にさせていただきますね! (2020年4月21日 0時) (レス) id: ca371dd3e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M2 | 作成日時:2020年1月11日 13時