報告を聞いた鹿目は椅子から落ちた ページ15
「出たな…まさかまたやつを見る日が来るとはな」
「XANXUS」
みんなが硬直する。XANXUSの絶対的な存在感にかき消され、オレ以外のやつはミヤビに気づいていないようだった。にこにこと、本当に嬉しそうにオレに笑いかけて来る弟。毒気を抜かれたのが半分、鹿目から得た事前情報で気を引き締めるのが半分。まさかここで会うとは思いもしなかった。
「ひっ…！！わぁっ！！」
どたっ！ツナが腰を抜かして尻もちをつく。ここでようやく、ミヤビから目を逸らした。無意識のうちに、お盆の時にもあった、思考が吸い寄せられるような感覚に支配されていたらしい。今ここで注意を向けるべきはXANXUSだ。
「沢田綱吉…」
コオオォ…と光るXANXUSの手。憤怒の炎の、風すら巻き起こすエネルギーの渦。
「まさかボスいきなりアレを…！！」
「オレ達まで殺す気か！？」
「やべーぞ！逃げろ！」
「死ね」
光球が形を成す、その直前。
フゥ太の手をやんわり剥がし、ツナへの殺意を膨れ上がらせるXANXUSと、そんな彼から目を逸らすこともできず震えるツナとの間に滑り込む。
「！！」
「り、鈴兎！？」
XANXUSと目が合う。瞬きさえ許さないというような強い瞳が、オレを射抜く。けれども、なんとなく____XANXUSが見ているのは、オレではないんだろうなと思った。ほんの一瞬のことだった。先にあちらの目が逸らされてしまったから。
「ボス」
「…」
微笑むミヤビが、XANXUSの腕に手を添えたから。
XANXUSは少し目を細めて、特に苛立つでもなく手を下ろした。幹部メンバーがぎょっとした顔をする。リボーンがオレとミヤビを交互に見るが、オレも呆然とする他ない。なに、今のアイコンタクト。オレと恭ちゃんみたいなことするじゃん。アレで怒りを収めるってなに。あいつXANXUSの何？？？
「皆様、武器をお収めください。門外顧問、沢田家光様がお見えです」
「！！」
何事もなかったかのようにミヤビが示す先、たしかに家光さんが部下を引き連れて来ていた。家光さんもさっきの光景を見ていたのか驚いた顔をしていたが、オレ含むみんなの意識が家光さんに向けられ、いつものペースを取り戻したようだった。
◆
あとは大体原作と同じ流れになった。死炎印付きの勅命に書かれていることを読み上げ、チェルたちが来てリング争奪戦の説明をし、ツナが再びXANXUSに睨まれてヴァリアーは去った。
最後にミヤビが会釈していったので、再び混乱が巻き起こってしまったが。
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卯月伍(プロフ) - 暁月臨さん» ありがとうございます！下手すると数ヶ月とか挟んで急に投下するスタイルですが、続きを待っていてくださる方がいると思うとモチベが上がります！ (12月21日 20時) (
レス) id: cac572832d (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - めっちゃ好きです…！続き待ってます！！ (12月12日 14時) (レス) @page30 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月伍 | 作成日時：2020年11月14日 12時
