【アーレス】Don't look back!【小説版】 (ページ14)

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14話救出【山田洋介】ページ14

その姿に急激に体が冷たくなっていくのを感じた。

「ルルチア！！っ、ぁ、ルルチアｯ！！」

目に入ったのは鎖に縛られている見覚えのありすぎる少女とそんな少女をギュッと抱き締めながら酷く焦ってる様子で名前を呼び続ける上司の姿。

その周りには心配や不安、混乱といった感じで立ち尽くす仲間たち。その中から数人俺が帰ってきたことに気づいたんか「わからない」「たすけて」といった表情でこちらに視線を送っている。

「…え、どんな状況なんこれ」

気づけばそんな言葉が口から溢れていた。

…だって、俺「ルーちゃん倒れた」なんて連絡来たからバリ急いで帰ってきて「あー、疲れたぁ。ルーちゃんは大丈夫なんかな？」なんて思いながら扉開けたらほんま予想も出来ん光景が広がってて「え、何？何事？」って心ん中だけで留めたかったんやけど…ってごめんって空斗くん。俺も今自分で空気読めてんかったって分かっとるし反省もしとるからそんなに睨まんといてや！

「っ…あ、」

なんてことをしてる中、俺の姿に気づいたのかやはり珍しく焦った様子の零さんと目が合う。

＿＿＿たすけて、

別に気のせいやったかもしれん
でも、俺には零さんが助けを求めてる様にしか見えへんかったから仕方ないやん
あ、そこ呆れた表情しない

なんて、あほな事考えながらも体は迷いなく動いていた

「ただいま！ルーちゃん！洋兄帰ってきたで！」

バタバタと駆け寄り後ろからギュッと零さんごと強く、でも優しく抱き締める。それに驚いた様子でこちらにもの言いたげに視線を向けてきた零さんには小さく「大丈夫」と口パクで伝えてから笑みを浮かべる。

「…っ、ひ、」

怯えたような小さく悲鳴を上げビクッと腕の中で小さい背中が大きく揺れた。それと同時にジャラリ、と固い金属音と共に悲しくなるほど冷たい鎖が少女を俺から守るように覆い隠してしまった。

…え、なんや拒絶されたみたいで今かなりショックなんやけど…。
まぁ、でも拒絶されたからとゆうて俺は絶対諦めんけどな。

俺は冷たい鎖の奥の少女に熱が伝わるように鎖ごと抱き締め、ゆっくりと口を開いた。

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前回の話と合ってない部分があったので修正しました。