【アーレス】Don't look back!【小説版】 (ページ2)

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2話【灰ヶ峰零】ページ2

「うわああああああああ！！！！」

悲鳴を聞いてはっと我に返る。
激しい爆発音と共に周りの机や椅子、私の筆箱、隣の人の物が消滅していく。

「あ、え……？」

どうして、私の能力は触れないと消滅できないはずだったのに。いきなり、なぜ。

そうだ。ここは教室で、さっきまで教室で友達と話をしていたはずだ。それなのに、なぜ、こんなことになっている？
ぽかんと立っている私とは違って他のクラスメイトは悲鳴を出しながら私の傍を離れる。
その行動に不安と恐怖を覚える。さっきまで一緒に笑っていた友達も、恐怖で引きつった顔をして私を見ている。

「ま、待って……！」

必死に手を伸ばして友達に近づく。

「ち、近づかないで！やめて！」

私が動くと周りのクラスメイトが声をあげながら逃げていく。まるで、私に近づいたら消滅してしまうように。

消滅？

そうだ、いきなり周りの物が消滅したのだ。

まさか、人も消滅してしまうのではないか。

そして私が、消滅してしまうのではないか……？

「い、いや！いやだ！」

自分の腕で自分を抱きしめながら、必死に叫ぶ。叫んでもどうにもならないのはわかっている。それでも、私は消えたくない。
消滅は、したくない。

誰か助けて、と必死に声を上げる。私は、消滅したくない。そう強く思うほど、爆発音は大きくなっていく。
自分の手を見る。自分の手は震えていて、その先に地面が見える。
手を通して、地面が、見える……？

「え……そんな……？」

手が、透けていく。ゆっくりだが、確かに薄くなっていく。
恐怖で涙が出る。このまま、私は消えてしまうのだろうか。
そして私は皆から嫌われて、幸せな過去もすべて忘れて、恐怖を植え付けて。
恐怖を、植え付ける？

これは、いつの記憶だ？