ニヒャクジュウニ話 第三者視点 ページ17
「そこまでにしないと」
「！」
「その娘、死ぬわよ？」
いつの間にいたのか。
閉ざされた扉は開かれ、自身の今のマスターとなっているキャスターが立っていた。
護るようにAを左腕で抱き
「それとも殺してでも手元に置きたい、というやつかしら？」
「生憎、俺は貴様のような趣味はない」
「……随分な口の聞き方ね」
一瞬忌々しそうに口元を歪めたキャスターだが直ぐにいつものように弧を描くと、人差し指を第四次のランサーが大事そうに抱えているAへと向けた。
瞬間、どういう訳かキャスターがAを人形か何かを抱くように抱えているではないか。
「っA様！」
「再会の時間は十分与えたわ。これ以上を求めるのなら確りと私の命令を聞きなさい」
「A様を返せッ！」
「貴方のモノではなくて？ この娘は今、私のモノよ？」
ね？ と眠るAに尋ねれば仕組みは不明だが頷く仕草をする。
「ほらね？」
にこりと笑って視線を第四次のランサーの方へ向けば、目の前に迫る黄色の槍。
的確にキャスターの急所を狙うのだが。
「！」
キャスターを庇うかのようにその槍の矛先に現れたA。
彼女の首筋に当たる寸前に止めた第四次のランサーは憎らしげにAの後ろにいるキャスターを睨んだ。
「貴様ッ」
「もうこの娘は私のお人形さん。逆らえば」
言葉を区切ったキャスターはにこりと歪に笑う。
キャスターを庇うかのように立っていたAはまだ向けられたままの穂先に向かって歩み、身体を少し傾けた。
自ら傷を作ろうとするAに第四次のランサーは直ぐ様彼女を傷付けぬように槍の切っ先を下げ、遠退く。
「貴方の大事なこの子が傷付くことになるわ」
「ッ……」
くすくすと笑ったキャスターはAを後ろから抱き締めて、見せ付けるかのように右手で彼女の輪郭を撫でた。
「わかったなら私の命令を聞きなさい。貴方に拒否権は最初からないのよ？ 第四次のランサー？」
「……精々、寝首を掻かれないように気を付けることだなキャスター」
そう言って槍を消した第四次のランサーは虎視眈々と機会を伺っている捕食者のよう。
爛々とした目で言葉通りキャスターの首を狙っている。
とんだ狂犬、いや狂犬よりも面倒なものにキャスターは魔術にて再び拘束具を第四次のランサーの四肢にかけ、部屋を厳重に施錠。
Aと共に部屋を後にした。
ニヒャクジュウサン話 第三者視点→←ニヒャクジュウイチ話 ※微官能表現注意
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西 - この方角に福があるはずです
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翔べないペンギン(プロフ) - 亜流乃さん» コメントありがとうございます。そうなのです。ようやくお互いある種の再開ができましたので。どうにか完結できるように尽力しますのでお付き合いいただけますと幸いです。ジャンヌになるのも気に入っていただけて嬉しいです(照) (2021年3月26日 19時) (
レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
亜流乃(プロフ) - やっとランサーと!!!!!!!!!こういうチュエーション待って ました！ここまで書いて下さりありがとうございます！これからも応援してます！あと、ジャンヌになる展開も好きです(笑) (2021年3月25日 21時) (レス) id: bff6baca0f (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ありなさん» お待たせしてしまい申し訳ありません。先行きも少々不安ですが持続できるように努めます。コメントありがとうございます。 (2021年3月19日 18時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
ありな - 続編おめでとうございます！凄く嬉しいです！ (2021年3月18日 19時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ロゼファさん» お待たせいたしまして申し訳ありません。持続できるように頑張りますね。コメントありがとうございます。 (2021年3月13日 16時) (レス) id: 3d75302081 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2021年3月12日 1時
