ヒャクニジュウニ話 ページ26
もちろん彼のところへと行っていた。
格好こそ違うけど、あの特徴的なルビーのような瞳の色に金色の髪は忘れない。
十年前に
アーチャーの真名がギルガメッシュ王であると気付いたのは第四次聖杯戦争が終わって数年後。
気付いていなかったのか、と兄にもウェイバーさんにも呆れた視線をいただいたけど。
「彼は第四次聖杯戦争でもいました。だから」
「四次のランサーがいるかも、か?」
「……」
思わず黙る。
アーチャーと出会った時はそう思った。
彼がいるのならランサーもいるかもしれないと。
でもそれはあり得ない。
ランサーが消えたことは私自身の目で見たのだから、彼がいるはずない。
「あのなマスター、聖杯戦争は終わればサーヴァントは全員座に還ることは分かっているだろ?」
「……はい」
「第四次は誰も聖杯に願ってないんだろ?」
「そう、です」
「なら、第四次聖杯戦争に召喚に応じたサーヴァントが受肉するなんてことはあり得ない」
目線が下がってしまう。
湯気をが立ち込めるココアが入ったカップは暖かいけど、心は少しだけ冷たく感じた。
アサシンの言う通りである。
誰も残るはずもない。
というのに、どうしてギルガメッシュ王はいるのだろうか。
「多分今回の聖杯戦争でも触媒か何かで喚ばれて応じたんだろう」
「……なるほど」
確かにその可能性はある。
触媒であればほぼ確定でその英霊をサーヴァントとして迎え入れることが出来る。
そして触媒を使ったとなれば、十中八九第四次聖杯戦争と非常に密な関係性がある人物が今回の聖杯戦争のマスターとして参加している。
その可能性がある人物が、御三家の一つである遠坂家。
第四次聖杯戦争の時の遠坂家の方がアーチャーのマスターをされていたことは当時から数年後にわかっている。
なので血縁関係の方が今回もあの黄金の英霊を喚んでアーチャーのサーヴァントとして契約したのではないか。
アサシンの言葉でそこまで考えることができたのだけど、十年前のあの
正直何故私が殺されなかったのか今でも謎。
しかも微妙に気にかけられていた気がするから余計に。
「マスター?」
「……前途多難過ぎて頭が痛くなってきました」
「分からんでもねぇけど、ひとまずそれ飲んだら寝ろよ?」
ココアを口に含めばぬるくなっていた。
ラッキーアイテム
鳳凰の羽根
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
ラッキーサーヴァントクラス
シールダー
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翔べないペンギン(プロフ) - らんらんさん» コメントありがとうございます! お褒めに預かり、応援いただき、目から汗が出るほど嬉しいです。どうぞ続編の方もよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月25日 21時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
らんらん(プロフ) - とっても面白いです!いつも楽しみながら読んでいます!続編も頑張ってください! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 9ff20dca42 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 甘い缶詰さん» 一気に拝読いただきありがとうございます! そう言っていただけて非常に嬉しいです。これからも楽しんで拝読いただけるように尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2020年9月6日 19時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
甘い缶詰(プロフ) - 初めまして!前作から一気読みしました。正直言って面白すぎて、最高です(語彙力皆無)。更新頑張ってください! (2020年9月6日 14時) (レス) id: b8e62b7458 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - ゼラチンさん» コメントありがとうございます。御拝読いただき感謝しかありません。お気遣いもいただき、目から汗が吹き出ております。ゼラチンさんもお体にはお気をつけ下さいませ。 (2020年8月30日 9時) (レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年8月7日 20時