arc_en_ciel Ⅲ【虹】 (ページ10)

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紫side～

事故が起きてから、4ヶ月が経ったけれど、まだ望は入院中。

「のぞむ～、濵ちゃんが来たで～？」

望が目を覚ましたと聞いた時は、ホンマに嬉しかった。

でも。望の後遺症が見つかって、それを望自身が受け入れられなくって。

メンバーでも望が大好きな家族でも。

望が笑う事はもちろん、口を開くことも無くなった。

今だって、俺の方を見向きもしないで、望はボーッと窓の外を見つめている。

「のぞむ、」

何とか望の視界に入ろうと、窓のある方に回り込んで置いてある椅子に座る。

「はまちゃ、」

何時もは俺らの事なんて居ないみたいにして何も話さないんだけれど、今日は違った。

「ん？…どーした？」

ホンマはめちゃくちゃテンパってるけど、平然を装って望の方を向く。

「…ぉれ、……うぇすとで居られる自信ない、」

事故にあってから初めて聞いた、望の“本音”。

望の気持ちが聞けて嬉しい反面、その内容は、嬉しいものじゃなくて。

「…望は、どうなん？」

俺は照史みたいに上手な言葉を掛けられる訳でも無いけど。

でも。望が俺に話してくれたって事は、少しでも俺を頼ってくれてるって事やから。

俺は、俺なりに、望に向き合うって決めた。