arc_en_ciel Ⅲ【虹】 (ページ27)

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緑side～

「……ひゅっ、はっ、……はぁっ、！」

体調も、ココロもギリギリだったしげの限界が来たのは、ライブも残り半分を過ぎたところやった。

俺らの出番が終わってステージ裏にはけた瞬間に崩れ落ちたその身体。

「…しげっ！」

その熱すぎる背中を擦ろうとすれば、しげに、やんわりと止められて。

「…やめ、っ、ひゅ、…」

「神山さん、これ、」

スタッフさんに渡されたのは水と、タオル。

「…ごめんな、ちょっと苦しくなるで、」

タオルでしげの口をグッと抑えてやれば、少しだけ苦しそう身体を捩ったけれど、呼吸は段々ゆっくりになっていった。

「……かみちゃ、……も、大丈夫だから、｣

ごめんな、ありがとう。なんてふらふらな足取りで俺から離れようとするしげ。

その腕を捕まえれば、その身体が大きくふらついた。

「……おわっ、ごめん、」

支えながらそれとなくソファを勧めてやれば、嫌がる余裕も無くなったのか、素直にソファに座ってくれて。

「………………ごめん、」

「……なにがやねん、」

「…ごめん、…………ごめん、…ほんまにっ、……ひゅ、」

呼吸が怪しくなってきて、また直ぐに過呼吸を起こしてしまったしげ。

「……大丈夫、大丈夫やから、ゆっくり呼吸して？」

激しく上下する背中は、以前よりもずっと細くなっていた。