捌拾 ページ43
猗窩座Side
思い出しそうで、思い出せない人間の頃の記憶。
想い人がいて、それで。
記憶に霧がかかって、何も見えない。
でも、記憶が閉ざされていても、
女を食らうことができなかった。
理由は記憶にある。
そう見た。
だから、記憶を思い出そうとした。
でも、やめた。
思い出せば辛くなる。
そして、戦い。
激しい戦闘。
自分の最大の力を出した。
でも、勝てなかった。
こんな柱一人と柱でもないやつに。
負けるとは。
そんなとき、幻想。
いわゆる走馬灯的なものが見えた。
「____です。」
まだ、戦える。
まだ、強くなれる。
そんな強い思いで再生が始まった。
そんなとき、聞こえてきた。
声。
「泊治さん、ありがとう。」
「もう充分です。」
「もういいの、もういいのよ。」
目の前に現れる、女。
そして、
「猗窩座!!」
俺の名を叫ぶ、あのお方。
人間の頃の記憶が徐々に蘇り、鮮明に頭によぎる。
師範。
親父。
それから____。
恋雪。
そうだ。恋雪だ。
俺は、恋雪に。
自分のことを思い出し、後悔し始める猗窩座。
「大事な時にそばにいなくてごめん、約束を一つも守れなかった、許してくれ、頼む、許してくれ!」
そう叫ぶ自分に、彼女は。
「私たちのことを思い出してくれたよかった、お帰りなさい、あなた。」
そう言われる。
猗窩座の体の再生が止まる。
だが、体が崩壊しない。
「使命が、あるんですよ。Aさんが危ない。
彼女を助けて、お願い、泊治さん。」
そう頼まれたのだ。
体の崩壊が始まらない今、
息を引き取れない。
そう考えた。
だから、俺は歩いて、歩いて。
あの場に飛び込み、Aを守った。
__________________
猗窩座に、
少しでも、
Aを思う気持ちがあったのだろうか・・・
88人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
・小豆・(プロフ) - 金米糖さん» 作者のボードに乗せてくれると嬉しいです!あ、そろそろ鬼との話書かなきゃなーって思ってましたw 書かなきゃ(´;ω;`) (2020年5月3日 11時) (レス) id: d83b8a95e4 (このIDを非表示/違反報告)
金米糖(プロフ) - あのイラスト描いたんですけどどこに貼ればいいのですか?とりあえず作品作るので見てくれるとありがたいです! (2020年5月2日 23時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)
金米糖(プロフ) - 鬼と仲良い話そんなに出てこなくて忘れかけてました!自分と仲のいい鬼に殺されそうになったら嫌ですね! (2020年5月2日 22時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)
・小豆・(プロフ) - 金米糖さん» 私も好き!ありがとう(´;ω;`) (2020年4月28日 12時) (レス) id: d83b8a95e4 (このIDを非表示/違反報告)
金米糖(プロフ) - ・小豆・さん» 面白かったです!更新ガンバッテクダサイ!小豆さん好き! (2020年4月28日 10時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:・小豆・ | 作成日時:2020年4月26日 7時