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漆拾伍 ページ38

悪菜Side






あの四人が部屋を出ていった。







沈黙が続いてる中、口を先に開いたのは。



影河さんだった。









「お前、気付いてたのか。


あいつが...Aが鬼と絡んでいるところを。」



正直話す気はしなかったが、なぜか自然と口が開いていた。




「見たんです。

師範が、何もない真上から出てくる姿を。



影河さんの修行の時です。あの師範の現れ方、私の家族が鬼に襲われたときの鬼の現れ方とそっくりだった。

だから、確認した。あなたは味方なの?って。



疑った。最愛の師範を疑った自分が許せない.....!」



「そんなに自分を攻めるな。攻めても何も変わらない。

後悔しかすることはないぞ。



.....Aは、あいつは、父を失くし大切な”者”も、全て奪われ持っていなかった。

持っているのは、病気がちな母と自分の実力、そして俺とかの。





友達はできず、挙げ句の果には柱の皆に嫌われた。




「...すみません。」

今は話を聞け。




そんな時だ、悪魔呪に会った。

あいつは、俺が柱を引退した元だ。




でも、何もなかったAには必要だった存在になってしまった。



何でも話せ、泣いて、安心できるような、そんな存在に会うのが。





鬼だったんだ。

よりによって最初に出会ってしまったのが人間ではなく、鬼。





それから鬼と親しくなった。

俺とかのはその場をたまたま見つけたんだ。




でも、やめろとは言わなかった。いや、言えなかったんだ。



ここで問う、どんな表情をしてこちらを見てきたと思う?」



いきなりの問いに、私は混乱しながらも考える。


でも、答えは思いつかなかった。そう思っているのを察したのか、影河さんは答えを自ら言った。









「正解は、予想なんてできなかった。









無表情だ。







ただ、ひたすら無表情で、まるでただの銅像のように、心を失ったかのようにこちらを向いたんだ。




俺らは、こう解釈することしかできなかった。







”この人たちしか私を救えない”ってな_____。」





あまりの答えに、固まる。




師範の無表情。







私が、まだ馬鹿やっていたときの、師範だ。








こう改めて考えると、罪悪感しかない。




そして、頑張って堪えていた



一つの



大粒の涙が、









頬を伝った。






暖かい者に抱かれながら。






ただただ、自分のしてきた罪を後悔しながら。



師範が帰って来る事を祈りながら。

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・小豆・(プロフ) - 金米糖さん» 作者のボードに乗せてくれると嬉しいです!あ、そろそろ鬼との話書かなきゃなーって思ってましたw 書かなきゃ(´;ω;`) (2020年5月3日 11時) (レス) id: d83b8a95e4 (このIDを非表示/違反報告)
金米糖(プロフ) - あのイラスト描いたんですけどどこに貼ればいいのですか?とりあえず作品作るので見てくれるとありがたいです! (2020年5月2日 23時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)
金米糖(プロフ) - 鬼と仲良い話そんなに出てこなくて忘れかけてました!自分と仲のいい鬼に殺されそうになったら嫌ですね! (2020年5月2日 22時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)
・小豆・(プロフ) - 金米糖さん» 私も好き!ありがとう(´;ω;`) (2020年4月28日 12時) (レス) id: d83b8a95e4 (このIDを非表示/違反報告)
金米糖(プロフ) - ・小豆・さん» 面白かったです!更新ガンバッテクダサイ!小豆さん好き! (2020年4月28日 10時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:・小豆・ | 作成日時:2020年4月26日 7時

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