【心配性】 ページ26
ーーシャルsideーー
急にどこからかバタンという音がする。
それに続いてシズクの呑気そうな声。
「あー、こんなにアルコール度数低くてもダメなんだー。残念。」
その言葉を聞いて、全員が凍りつく。
シズクはなぜか異様なほどアルコールに強い。
つまりシズクが度数が低いと言ったからといって、飲みやすいわけではない。
いつものメンバーはその事は承知しているので問題ないが…
ナナが度数が低いと思い込んで飲んでしまった可能性が高い。
慌てて音のした方へと向かう。
「……シズク、飲ませたのは?」
「コレだよ。」
そう言って渡されたのは………
度数10%。飲みなれているなら問題ないが。
………ナナに限ってそれはありえない。この度数でも十分危険。
倒れているナナの目を開き、瞳孔を見る。
脈拍も正常。急性アルコール中毒ではなさそう。
とりあえず後でシズクは怒っておくとして。
おそらくこの様子からして、眠っているだけ。
アルコールの麻痺作用で眠気に襲われただけだろう。
体温はやや高め。おそらくアルコールの分解のために酸素の燃焼が活発化したため、かな。
丁寧にチェックして異常箇所がない事を確認。
OK。これだったら目がさめるまで寝かせれば問題ない。
………さすがにこの硬い地面で寝かせるのはなあ。
かといって、まだナナの部屋はない。
さて、どうするか。
「……どうせ今日は寝るつもりなかったし。」
誰に対してでもなく言い訳しながら、ナナを抱き上げる。
シズクに預けるのは危険。
マチとパクはすでに部屋で寝ているだろう。
そこに押しかけて行ったら殺される可能性しか見えない。
残りで酔っていないのは俺とフェイのみ。
さすがにフェイの部屋はない。
何が悲しくてあんな拷問部屋にナナを連れてかなければならないんだ。
一つずつ可能性を消去して、結局行き着く結論は同じ。
簡単な話だ。ナナを俺のベッドに寝かせて、今日一日、俺はここで仕事でもしてればいい。
ナナを抱き上げながら。俺の部屋に向かう。
フェイに哀れむような目で見られたが、気にしたら負けだ。
「……シャル、お人好しね。自分は寝ないつもりか?」
「もともと今日は寝るつもりなかったし。……ナナを床に置き去りにするよりはいいでしょ。」
そう言いながら、フェイの前を通過。
よし、あとは部屋に置くだけ。
……別に迷惑じゃないし。
むしろ・・・いや、なに考えてんだよ!
【寝たくない理由とその対処法】→←No.7. 【確認作業は大切】
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村蓮(プロフ) - シャルも主人公ちゃんも大好きです!!久しぶりに感じる胸のトキメキを抑えられないです!! (2022年6月27日 2時) (レス) @page50 id: 51c88eb12b (このIDを非表示/違反報告)
駒田針 - みんな死なないなんて最高です (2020年11月11日 19時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 本日のラッキーアイテム=アイアンメイデン !?!? (2020年9月11日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
りんごぱんだ(プロフ) - ありがとうございます。名前の部分はすぐに修正させていただきます。 (2018年8月25日 10時) (レス) id: 9d7ed27381 (このIDを非表示/違反報告)
初音みのりフード - 面白いです!シャルは私も推しキャラなので嬉しいです!ただ、ところどころ名前が固定になっていましたよ。でも面白いので更新頑張ってください! (2018年8月23日 18時) (レス) id: 9104fd672a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごぱんだ | 作成日時:2017年8月23日 2時