【H×H】 彼女が蜘蛛の中枢にいる理由 ー出会い編1ー

No.3 【私は一体どうなるのでしょう？】 ページ11

「……俺に見破れない程度の嘘がつけるようには見えないけど。」
「嘘じゃないです。…シャルさんに嘘、つきたくないですから。」


明らかに疑ってるシャルさん。

それはまあ仕方ないか。



でもいい。信じてもらえなくたって。
シャルさんに本当の事を言えた。嘘をつかなかった。

その事実が私の中に残ってくれればいい。





っと、いきなり顔を覗き込まれる。




急上昇する脈拍。心音が周りにも聞こえそうなぐらい。
鏡を見なくても顔が真っ赤になってる事がわかる。






「本当に俺に嘘、ついてない？」





正直、脳内はそれどころじゃない。
だけど……



「はい。もちろん。」



しっかりした声で答える。
そう言える事が私の誇りだから。


それを聞くと、シャルさんは不思議そうな顔をして。





「……瞳孔は正常、か。」


口元に手を当てて考え込む。

あ、そういえば前なんかで聞いた事ある。
瞳孔を見る事で嘘をついているか判断できるって話。


…不覚にも結構ときめいてしまった。




「顔見ただけで赤くなるぐらい単純な割に、そこだけ訓練してるはずないしな。」

そうボソッとつぶやいた一言を聞いて、切腹したいレベルに恥ずかしくなる。


……そこまで計算ずくでしたか。普通に騙された。

だって目の前にシャルさんがいるんですよ⁉
そりゃ脈拍の一つや二つ上がりますよ！



八つ当たり気味に、脳内で叫んでいると……



「…シャル、どう？」
「うーん、嘘ついてるようには見えなかったけど……信じられない。」
「わかった。読み取ってみるわ。」




……パクノダさんだ。

え、待って。どういう事？
私、なんでこうなった？


殺されるんじゃないの？


頭の中をそんな疑問がウロウロしていると…





「…もう、早く行くよ。」



シャルさんに抱き上げられて、中へと連れて行かれる。


え、わ、え？

脳内がはてなマークでいっぱいになり。
そして感情が飽和して。


結果として、やっと引いた顔の赤みが再発する。



「え、ちょ、………シャルさん？」
「動くの待つより運んだ方が早いって思っただけ。」



そう言いながら、スタスタと奥の部屋へと向かう。


というかここどこ？
私どうなるの？


というかそろそろ状況に適応できないんだけど！



なんでトリップそうそう、旅団に遭遇してるんだ私は！
しかもなんかまだ生きてるし！


パニックで脳の思考がループする。



まあいっか。死ぬのが早いか遅いかだけだし。
大して変わんないさ。

【神様の意図】→←【シャルさんの自分の容姿利用してる感がすごい。】

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