7.町医者さんに会うようです。 ページ9
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午後四時半。オーダーストップまで残り三十分という時にお客様の来店を知らせる合図が店内に鳴り響いた。
急いでキッチンから出てお客様をお迎えにあがる。ああ忙しい忙しい。
パタパタ走りつつ身嗜みを最低限整えるのは私の十八番である。
玄関の前に立っていたのは顔の整った美形なおじ様と、金髪が特徴的なこれまた美形な小さな女の子。
これは絵面的に大丈夫なのかと心の中で思いつつも営業スマイルで対応する。
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」
まぁ見て分かるが、これは聞かなければならないのだ。もし外にお連れ様がいた場合失礼に値してしまうから。
「二人だよ。それにしても、このお店は雰囲気が良いね。」
にっこりと微笑んでそう言われたおじ様の言葉に気持ちが舞い上がるのを抑え、ありがとうございます、と。
そのままお二人をテーブル席へご案内し、注文を伺う。女の子はデザートのページをテーブルに広げて楽しそうにメニューを選んでいた。
一方おじ様はそんな女の子の様子を幸せそうな顔で見ていて、やはりどこか危ない香りがしたのはきっと気の所為ではない。
「このチョコレートパフェを頂戴!あと飲み物はミルクティーがいいわ!」
女の子がメニューから顔を上げて笑顔で私に告げる。チョコレートパフェにミルクティー……っと。
今度はおじ様に視線を向ける。おじ様は「コーヒーを」と。コーヒーね。
暫しお待ちください、とその場を離れてキッチンに引っ込んだ。
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「とても美味しいコーヒーをありがとう、また来るよ」とおじ様は言って帰っていかれた。女の子は私の名札を見たのか、「小林だからコバね!」とあだ名までつけて。
うーん、不思議な二人だったなぁ。
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「リンタロウ!あのお店また行きたいわ!」
「そうだねぇ。また行こうか。」
「中原君も、随分と良いお店と女性を見つけたものだ。」
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村人C - 神に祈りを(//∇//) (2022年6月8日 21時) (レス) @page24 id: 22d4be940f (このIDを非表示/違反報告)
M - 凄く美しい(?)なんかもう言葉に表せない程好きです。神様素敵帽子君が尊すぎです。夢主の性格も可愛らしくて吐血しそうでした。もうトゥンクが凄いです!! (2022年5月8日 15時) (レス) @page24 id: e7b90db1c1 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 否、可愛いから付き合いたいな。危険は重々承知してますが。 (2020年6月12日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 『手前』ってか…可愛いね、中也ちゃん。 (2020年6月12日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる(プロフ) - Uヒさん» コメントありがとうございます!ご満足いただけたようで良かったです!ご愛読ありがとうございました! (2020年4月28日 10時) (レス) id: 9e41ced277 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あっぷる | 作成日時:2019年7月13日 2時