第20話◆ ページ21
授業が終わり、みんながバタバタと教室を出ていく。
放課後になって解禁されたスマホを右手で弄ぶと、Pointer Fantasy のテーマソングがなる。
黒板を拭いていた山田くんが、迷惑そうな視線を向けて来た。
イヤホンを耳に突っ込み、スクールバックを引っ掛けて教室を出る。
昼休みに感じた胸のモヤモヤは、もうすっかり消え去っていた。
「あれ……福永くん」
コクリ と頷く福永くんは、私をちょいちょいと手招きする。
猫っぽい見た目もあり、どことなく招き猫みたいだ。
名前も “福”永くんだしね。
くだらないとは思いつつも、少し笑ってしまう。
身長があまり高くはない私は、歩幅も小さい。
福永くんのような背の高い人と歩く時は、少し小走り気味について行くしかないのだが、今回はそれがなかった。
福永くんが歩幅を気にして歩いてくれているんだろう。
小さな気遣いに感謝していると、福永くんは体育館の前で止まった。
「あれ、昼間の」
……昼間の?
黒尾さんと呼ばれていた、背の高い男の人がひょっこりと顔を出す。
私はこの人を知っているけれど、なんでこの人は私を知っているんだろう。
内心首をひねっていると、黒尾さんは心のうちを見透かしたようにさらりと答えを口にした。
「君、研磨の友達でしょ」
「……ともだち」
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青砥ルラ - 4.16 (2020年4月19日 14時) (レス) id: 3630771c88 (このIDを非表示/違反報告)
あべかわもち(プロフ) - 名無しですがなにか?さん» はい、そうなってます! (2018年4月16日 6時) (レス) id: 9f7db0fc1d (このIDを非表示/違反報告)
名無しですがなにか? - 白い四角が、青砥ルラさんですよね? (2018年3月23日 16時) (レス) id: 3b500904fe (このIDを非表示/違反報告)
青砥ルラ(プロフ) - なーさん» はい!ゼヒともお願いしたいです! (2018年3月23日 11時) (レス) id: 4eb8e6777a (このIDを非表示/違反報告)
なー(プロフ) - 青砥ルラさん» ありがとうございます…!また機会があったらお描きさせてください! (2018年3月23日 11時) (レス) id: 70117f1d7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あべかわもち あおと x他1人 | 作成日時:2018年3月20日 18時